<中日0-4オリックス>◇18日◇ナゴヤドーム

 大砲復活でチームも5割復帰だ。オリックス李承■内野手(34)が2カ月ぶりの2号ソロを含む4安打2打点で中日を粉砕した。不振で2軍落ちも経験したアジアの大砲が覚醒し、2カ月に及んだ借金生活から脱出。岡田彰布監督(53)は勝率5割で迎える交流戦最終日の先発にエース金子千を予告し「ここから開幕や」と声を高らかにした。

 少しうつむいてのダイヤモンド1周は潤み始めた目を隠すためだったのかもしれない。大砲が大砲で、李承■が李承■であるためのもの。手に刻まれた2カ月ぶりの感触を忘れないよう2つの拳は固く握られた。

 「真っすぐをしっかりとらえることができました。ここまでいい結果を出すことができていませんし、とにかく1打席、1打席集中して大切に打席に立つことを心がけた結果がホームランにつながってくれた」。

 4回1死。2回にも中前打を放っていたネルソンから、ど真ん中に来た直球をきれいな軸回転で右翼席へ運び去った。4月13日ソフトバンク戦以来、112打席ぶりに描いた先制のソロ。6回の左前打に「今年に入ってあんなにうまくレフト前に打てたのは初めて」と自信を持ち、8回には右翼線へ適時二塁打だ。4年ぶりの1試合4安打は覚醒と呼ぶにふさわしかった。

 開幕から1度も打率2割を超えず、2軍落ちした。5月22日の昇格後も思うように安打が出ず、7打席連続三振もあった。支えは携帯用端末機に収めた全盛期の自分の映像だ。「悪い癖が体に染みついていた。それを治すには時間が必要だった」。韓国の90年代の懐メロを聴くこともある。「野球で一番成長した時の歌や音楽を聴いて昔を思い起こそう」とバットを振り込んだ。2軍降格中に誕生し、励みにもなった第2子へも初本塁打を贈れた。

 「スンちゃん」と呼ぶ岡田監督は自分のことのように喜んだ。「巨人時代にもネルソンからホームラン打っとるし、やっぱり合うんやろな。打ちだしたら打つやろ言うとったけど、4本打つとは思わんやった」。大砲の復活でチームは勝率5割。2カ月に及んだ借金生活は終わった。交流戦は今日19日がラスト。「まだまだこれからよ。リーグも再開するしな。あと1試合、エースが投げるし、いい形で終わってな。5割で金子って、開幕みたいや」。エース金子千の先発を予告し、第2の開幕を声高らかに叫んだ。【押谷謙爾】※■=火へんに華