<ヤクルト1-7ロッテ>◇19日◇神宮
ロッテ唐川侑己投手(21)に封じられたチームは「何で打てないのか分からない」と口をそろえる。130キロ台の直球に、スライダー。2つの球種だけでこの日も108球。全119球の9割以上を占めた。一見、的も絞りやすそうだし、いつでも打てそうに感じるのだろう。
だが、打席に立って見ると違う。直球は浮き上がるように見え、スライダーは曲がりが遅く、とらえたと思った時にはファウルになってしまう。この日、ヤクルト打線には「おっつけるのがうまい宮本以外は、ポイントをいつもより前にし、引っ張るつもりでいくように」とスコアラーから指示が出ていた。それでも、スライダーをうまく打てたのは5回の畠山の左前打ぐらい。球種の比率はデータどおりだったが、打席に立たないと分からない球質への対応は難しい。
空振りの取れる130キロの直球の秘密は「体を絶対に開かないこと」だと唐川は言う。セットポジションで左肩方向(本塁)に投げる時、右ひじが顔の前を通過してから、胸が本塁方向に向く。そういう感覚が、球の出どころを見にくくし、直球とスライダーに前述の効果を生んでいる。
体を開かない感覚は、崩れた時の修正ポイントとしても生かされている。自己最多タイの6勝目を挙げたこの日も6回から修正してみせた。今年はそのチェックポイントが少なくなり、修正が楽になったという。それが、唐川を攻略しにくい投手とさせ、防御率1点台を守る安定した投球を生んでいる。【竹内智信】



