<広島2-1日本ハム>◇19日◇マツダスタジアム

 広島岩本貴裕外野手(25)が、ルーキー福井優也投手(23)に1カ月半ぶりの白星を贈った。6回にウルフから決勝打を放ち、最下位が決定していた交流戦を白星で締めた。24日から再開するセ・リーグで巻き返す。

 雨雲に包まれたマツダスタジアム。岩本はカクテル光線の中、福井とともにお立ち台に立った。「福井が一生懸命頑張って投げている。どうにか1点を…」と声を絞り出した。

 6回裏1死一、三塁。岩本は雨の中、追い込まれながらも、日本ハム・ウルフの外角高め143キロを逆らわずに左前にはじき返した。5月21日オリックス戦(京セラドーム大阪)で放った2ラン以来の打点。「なかなかチャンスで打てなかった。投手の方に迷惑をかけていた」。6回表に福井が乱れ、稲葉に同点の中犠飛を許したばかりだっただけに喜びも倍増だ。

 交流戦は6勝16敗2分けの最下位が確定していた。それでも、岩本の勝利への欲求は衰えていなかった。前日大暴れした日本ハム中田は、広島鯉城リトルシニアの後輩でもある。先輩の意地を見せたかった。

 08年ドラフト1位。昨年はチーム2位タイの14本塁打と大器の片りんを見せたが、今年は伸び悩んだ。それでも起用し続けた野村監督は「久々じゃないかな。我慢強く、私も彼と真剣勝負ですよ」と話した。浅井打撃コーチも「誰が見ても岩本はチャンスを与えられている。大卒1位なら即戦力としての期待があるわけだし」と言った。

 24日からセ・リーグ戦が再開する。岩本は「いろいろ考えたが、何も考えずに全力で振るだけ」と話した。無心でバットを振った昨年を思い出し、セ・リーグ相手に序盤の勢いを取り戻す。【佐藤貴洋】