<楽天1-3ソフトバンク>◇6月30日◇Kスタ宮城

 もう不運はゴメンだ。ソフトバンクが前夜のサヨナラ敗戦をリベンジした。守護神・馬原孝浩投手(29)が最終回をパーフェクトリリーフで締め、7年連続2桁となる今季10セーブ目。スクイズあり、盤石継投ありと、秋山幸二監督(49)の執念采配を実らせた。故障者復帰が見込まれる7月戦線で、一気に独走だ。

 たった一夜で、いつもの光景が戻ってきた。ベンチ前。守護神馬原が秋山監督とハイタッチだ。前日のサヨナラ負けで敗戦投手となった右腕はわずか5球で9回を抑えるリベンジ投。「切り替えて臨んだ。引きずっていない」と馬原が言えば、秋山監督は「(馬原は)普通に投げれば大丈夫」。リーグ再開後の初カード勝ち越しは、必勝継投で締めくくった。はからずも2人は特別な感情を抱き、この日を迎えていた。4度目の球宴出場が決まった馬原は試合前に語っていた。

 馬原

 仙台の地で球宴が行われる。僕も4月に母を亡くしていますし、たくさん身近な方を亡くした同じ境遇の方々に、少しでも勇気と希望を与えられたらと思います。

 馬原はシーズン開幕直前に母孝子さんを亡くした。大事な人を失う喪失感を抱きつつ復活した背番号14は、7年連続2桁セーブをマークしてみせた。

 秋山監督も普段とは違う感情が胸中を支配していた。前日は延長10回2死2ストライクと、勝利まであと1球のところから負けた。楽天ファンが来場するのを見ながら話していた。

 秋山監督

 野球はゲタをはくまで分からん。難しいなあ。でも、そこが、野球のおもしろさ。楽天ファンにとっては最高の試合。ウチには逆だけど。(前夜のサヨナラ負けは不運なヒットが3本続き)野球には流れってのがあるよな。

 指揮官は采配にも、勝利への流れを呼ぶ執念をにじませた。1点リードの7回1死三塁で、細川が今季チーム初のスクイズ成功だ。「あの1点が大きいんだ。あの1点が」と秋山監督。球数97と完投ペースだった先発岩崎も、打線が4回り目を迎えた8回2死走者なしで交代。故障者が続出した6月も白星フィニッシュでオサラバだ。今日1日にはオーティズが復帰し、近日中に多村もティー打撃を再開。左太もも裏痛に悩んだカブレラは3試合連続打点と上昇カーブを描いている。内川も球宴出場をあきらめていない。7月戦線は、一気に独走態勢へと入ってみせる。【松井周治】