<広島2-1中日>◇31日◇マツダスタジアム

 嶋がやった!

 広島嶋重宣外野手(35)が、7月最終戦となった中日戦で延長11回にサヨナラヒット。プロ17年目にして初のサヨナラ打で、9回に同点に追いつかれた嫌な流れの試合を、劇的な勝利に結びつけた。7月は12勝10敗で4月以来の月間勝ち越し。ベテランのバットが、8月もチームを引っ張っていく。

 打った瞬間、嶋はサヨナラを確信していた。1-1同点の11回裏、1死満塁。中日6番手河原のストレートを狙い打った。前進守備の中日内野陣をあざ笑うかのように、打球がセンター前へ抜ける。同時に一塁側ベンチから広島ナインが飛び出す。プロ生活17年目にして、初のサヨナラ打。嶋は一塁を回り、両手を突き上げた。マツダスタジアムでその瞬間を見届けた広島ファンは狂喜乱舞した。

 嶋

 最高ですね、本当に。監督にもマイナス思考になるな、と言われていたし、代打なのであれこれ考えず、積極的に行くという気持ちだけでした。

 興奮冷めやらぬ中、お立ち台に上がったヒーローは笑顔で振り返った。

 苦しい試合だった。1回に相手のタイムリーエラーで1点を先制し、ジオが7回無失点と好投し、9回は守護神サファテで逃げ切りを図った。だが、2死三塁のピンチに今度は遊撃木村のタイムリーエラーで同点に追いつかれ、試合は延長戦にもつれこんだ。

 嫌な流れだったが、嶋はあくまでも冷静だった。9回はベンチで声援を送っていたが、同点になるとベンチ裏に戻り、代打での出番に備えた。今季は不調で2軍落ちも経験し、7月18日に1軍復帰を果たしたばかり。「2軍に落ちるということは、競争に負けたということ」。悔しさをバネに、体のキレや下半身の使い方などを追求し、ベテランの存在感を土壇場の勝負どころで見せつけた。

 野村監督も「(相手投手が)右でも左でも嶋と決めていた。プレッシャーがかかる場面でいい形で決めてくれた」と絶賛した。

 これで7月は12勝10敗と2つ勝ち越し。月間勝ち越しは4月以来で、最大「10」あった借金も「4」にまで減らした。

 嶋

 苦しい戦いに勝ってこそ上がある。勝ち抜いて、上を目指してやっていきたい。

 激戦が続く8月戦線でも、嶋のバットがチームを助ける。