<阪神9-3ヤクルト>◇4日◇京セラドーム大阪

 三塁側ベンチに向かって、ヤクルト石川雅規投手(31)がゆっくりと歩みを進めた。同点の4回、先頭ブラゼルに128キロの外角高めスライダーを左中間スタンドに運ばれた。さらに1死一、三塁とピンチを広げ、降板を告げられた。今季最短の4回途中5失点。勝負の12連戦初戦で病み上がりのエースが崩れ、2位中日に1ゲーム差に迫られた。

 石川は39度5分の発熱で、9月27日から3日間球場に現れなかった。先発ローテーションを今季初めて外れ、中10日のマウンドだった。「本当に悔しいです。マウンドに上がった以上は関係ない」と体調は言い訳にしないが、発熱で奪われた体力は簡単には戻らなかった。

 最速は133キロと、通常より5キロ以上は遅かった。スピードで勝負するタイプではないが、コントロール、切れとも本来のものではない。療養中は自宅でバイクトレなどを行い最善を尽くしたが、復帰勝利は遠かった。小川監督は「全部ボールが高かった。病み上がりでこういう結果になったので、ここで投げさせたのは早かったと判断するしかない」と悔やんだ。

 石川を救援した2番手橋本、3番手加藤も粘れず、4回に3失点、5回3失点と、中盤で試合が決まってしまった。荒木チーフ兼投手コーチは「先発が早く崩れた時に、早いイニングで投げる投手は、うちの場合は後ろの投手と実力差がある」と言う。今季橋本は17試合目、加藤は6試合目の登板。発熱の久古、右手首剥離骨折のバーネットがいないしわ寄せが、ウイークポイントになって表れてしまっている。

 5月31日から首位を走り続け、2位に1ゲーム差に迫られるのは6月8日以来約4カ月ぶりになる。小川監督は「これから十分あり得ること。今の時点でどうこうはない」と平常心でいる。残り14試合。本当の勝負どころに突入する。【前田祐輔】