<西武3-5オリックス>◇4日◇西武ドーム

 西武がクライマックスシリーズ(CS)進出へ痛すぎる1敗を喫した。3位オリックスとの最後の直接対決第1ラウンド。涌井秀章投手(25)が2回に先制3ランを浴びるなど7回5失点の“背信投球”。リーグワーストとなる12敗目で自己ワーストも更新してしまった。ライバルとの差は5ゲームに開き、自力でのCS進出が消滅した。10連勝した9月の快進撃から一転、後半戦初の4連敗で残りは11試合。もう後がなくなった。

 渡辺監督は敗戦を淡々と受け止めつつ、エースを断じた。「涌井の結果がすべて。あれが今の彼の力かなと思う」。言葉通り、試合を振り返っても打線の粘りを問われても、答えが涌井に行き着いた。逆転CSへ3連勝が求められる中、初戦を落とした意味の大きさ。役目を全うできなかった右腕に、試合を背負わせた。

 2回の3点も5回の2点も痛恨だった。重い7回5失点は2回の李承■に浴びた先制3ランから。2ボール1ストライク、内角を狙った142キロがど真ん中へ入った。「序盤の大量失点がね…。経験の浅いピッチャー(中山)を楽に投げさせてしまった」。

 立ち直りの兆しが見えた後の5回には連続適時打で追加点を献上した。「あの2点というか、ツーアウトから。あれを粘りきるのがエース。粘りきれなかった」。負けた時ほど雄弁かつ冷静に振り返る涌井が「特に何もありません。監督の言った通りじゃないですか。結果がすべて」と指揮官に同意しただけ。それもこの1敗の重大さを物語った。

 もう、勝つしかない。渡辺監督は「可能性がゼロパーセントになるまであきらめちゃいけない。明日、明後日を取れればチャンスは出てくる」と言った。残り2つ勝ってオリックスとは3ゲーム差。厳しいことに変わりはないが、勝たなければ可能性がゼロに近づくことだけは確か。「しんみりしないでいこうよ。まだあるんだから」。うつむく報道陣に言い残したように、前を向いて勝利への執念を見せる。【亀山泰宏】※■は火ヘンに華