<オールスターゲーム:全パ6-2全セ>◇第3戦◇23日◇盛岡

 全セの4番に座ったヤクルト畠山和洋内野手(29)が、故郷・岩手で復興支援弾を放った。4回、左翼線への大ファウルで沸かせた直後、今度は流し打って右翼席に打ち直しのアーチ。この日一番の大歓声を浴びた。東日本大震災の復興支援試合として位置付けられた一戦で、被災地を勇気づける大きな大きなホームランだった。

 畠山の本塁打をキャッチしたのは、NPBが招待した被災地の子どもたちの1人だった。この日は招待された約3000人のうち、約2400人が来場。その1人、地元岩手の釜石市立甲子中学校野球部の菅原一輝君(3年)が、右中間席で本塁打をつかんだ。菅原君は、かばんに大事にしまっていたボールを取り出し「手を伸ばしたらたまたま捕れました」と興奮気味。昨年の東日本大震災では、いとこの自宅が津波の被害にあった。「畠山選手は地元から生まれた強打者。ホームランはすごかった。頑張ろうって勇気づけられる感じがしました」と話した。