<西武7-1日本ハム>◇10日◇西武ドーム

 脱帽すると髪の毛を力いっぱい、かきむしった。日本ハム栗山英樹監督(51)は少しトーンを上げ、ぼやいた。「何か、こういう試合がうまく勝てないんだよな。監督がダメなんだ」。8日ソフトバンク戦でサヨナラ勝ちした勢い十分で乗り込んだ、西武3連戦の初戦。中盤までに大量6点差で完敗した。50勝リーグ一番乗りはお預けで、見どころもなし。「(ファンに)申し訳ない」と3度も繰り返した。

 誤算は先発ウルフだ。1回2死無走者から突如、1発を含む5連打で3失点。2、3回を無失点でしのいだが4回も2死満塁から中島の走者一掃二塁打などで、一挙4失点。「ちゃんと対策ができていない。こっちがしっかり指示できていないっていうこと」と、最後まで自戒のオンパレードだった。

 残り50試合を切り、混戦のパ・リーグで首位キープ。試合前には目標の貯金数を問われると、声を荒らげた。「貯金?

 100個だね」。監督1年目で優勝争いの輪に入っている。1勝、1敗の重みが増していく中で、精神的にも極限に張り詰めてきた。「貯金が、いくつあっても無理」と楽観視できない現在の心境を吐露。奮い立たせた矢先の黒星だった。

 2位ロッテに1ゲーム差に再接近され、3位西武には2・5差。失意でバスに乗り込む瞬間、つぶやいた。「ここから、頑張らないとね」。1戦1戦で一喜一憂する熱血監督はくじけずに、また有終の秋へ向かい直す。【高山通史】