生きる伝説料!?

 現役最年長47歳の中日山本昌投手が6日、名古屋市内の球団事務所で契約交渉し、2000万円増の6000万円で更改した。今季は3勝だったが4月には球団記録を更新する通算212勝目を挙げた。来季は出来高払いもなく、佐藤良平球団代表(56)は「大投手山本昌にふさわしい形の契約」と、ベテランの唯一無二の存在感が昇給の理由と説明。来季プロ30年目を迎える左腕は来季も1球1球、歴史を刻む。(金額は推定)

 スーツ姿の山本昌はにっこり笑っていた。会見場の椅子に腰掛けると「球団の方から新記録のお祝いにと上げてもらいました」。4月に樹立した球団新記録の通算212勝目が大きかったようで昇給サイン。金額は濁したが、関係者によると今季4000万円から1・5倍の6000万円での更改。さらに、今季はあった出来高の設定が一切なくなったことも明かした。

 今季は右足首のケガによる前年の登板なしから復帰し、3勝を挙げた。ただ、1年間ローテを守れなかった。計67回1/3、1003球しか投げていない。この事実を客観視すればアップは異例だ。この点について、交渉役の佐藤球団代表は「お金に換算してナンボという選手ではない。得難い存在。(56歳の)私が生きているうちにはもう出てこないような選手。こちらも考え方を変えないと」と説明した。

 47歳にして球団記録を更新し、元気に投げ続け、さまざまな年長記録を樹立する希少な存在。山本昌自ら「球界のシーラカンス」と名乗る通り、まさに“生きる化石”。伝説料として、常識を超えるアップでのサインとなった。

 つねに引退と隣り合わせにいることは分かっているという。「30年も契約してくれた球団に感謝」と言った。感謝は結果で示す覚悟。プロ30年目となる来季へ、着々と準備を進めている。例年通りフォームをマイナーチェンジ。すでに球速アップの手応えも得ている。最後に、先日引退した元メジャー、韓国の英雄・朴賛浩氏(39)が会見で語った「韓国の野球史上、私ほど運がいい人はいないのでは」というコメントを引き合いに出し、こう言った。

 「多分、自分が一番幸せなプロ野球選手だと自負している。(朴には)オレの方が幸せだよ、ここに1人いるよと伝えたい」

 伝説の域に達した山本昌の投球を来季も見られる竜党、野球ファンもまた、幸せなはずだ。【八反誠】