レギュラー奪取へ2年目の阪神伊藤隼太外野手(23)が4安打の猛アピールだ。3番右翼でスタメン出場した中日戦。1回に左腕雄太の直球を左中間へ二塁打。4回には2番手辻から右中間スタンドへの3ラン。今季の対外試合1号だった。

 「(本塁打は)風です。前の打席は(3回)1死三塁で三振した。同じ投手で真っすぐで三振だったので、振り遅れないようにと考えていた」

 打球の強さ、飛距離、確実性…。昨年からレベルアップしたと言われる伊藤隼だが、打撃技術以外の修正能力、ボールの待ち方なども成長した姿を見せた。

 6回、9回にも安打を放って4安打4打点。同じく11年のドラフト1位、中日高橋周が5安打と異彩を放ったが、1発を含む存在感では負けてはいなかった。

 「ヒット以外の打席は反省することもあった。自分はアピールしていかないといけない。おごることなく継続していきたい」

 途中からは左翼も守った。福留、助っ人マートン、走攻守に成長著しい大和。外野はこの3人の牙城がそびえるが、バットを武器に挑戦する。

 「キャンプインから打撃はよくなっているね。躍動感がある」。

 和田監督の「隼太評」が、外野戦線が波乱含みであることを予感させた。【鈴木忠平】