G阿部を斬る魔球や!

 阪神ドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が16日、キャンプのブルペンで最多の63球を投じた。左打席に打者が立つと、キレのあるカットボールを披露。天敵巨人の主砲阿部斬りにも使いたいと自信をみなぎらせた。

 容赦なく、胸元をえぐる。左の強打者に立ち向かう必殺技が、藤浪にはある。キャンプのブルペンで自己最多の63球を投じた。左打席に打者が構えると、4球のカットボール(高速スライダー)をお見舞いした。直球のような速さから、出身の堺市名物、包丁のように切れ味鋭く内角に食い込む球筋だ。

 自身でも決め球と認める伝家の宝刀。プロの並み居る左の強打者に対しても、負けない意気込みだ。「そういうバッターの方に対して、決め球として使えるレベルのボールにしたい」。昨季セ・リーグで打率、打点の2冠を達成した球界最強の左打者、巨人阿部斬りにも、堂々と投げ込む意欲だ。

 左打者に強力な効果を発揮するフジナミカットは「基本的に(左打者の)インコース低目。徹底して低目に投げること。ストレートに近い軌道で、キレるボールというのを意識しています」というこだわりのボールだ。「打ってもフェアにならないボールなので、ヒットにされたという印象はないですね」とこれまでは絶大な自信がある。プロでもひるむつもりはない。

 習得したきっかけは2年前、11年の夏。大阪大会決勝で東大阪大柏原にサヨナラ負けして甲子園を逃した。大阪桐蔭の西谷浩一監督(43)に「この試合はどちらもいい投手。勉強になるから見ておきなさい」と勧められ見たのが、阪神の先輩である歳内と楽天釜田が投げ合った聖光学院対金沢戦だ。10奪三振で投手戦を制した釜田のカットボールに魅せられ「ちょっと投げてみようかな」と取り入れた。器用な藤浪はほどなく習得。1年かけて磨きあげ、高校では無敵。春夏連覇を達成する強力な武器にまで成長させた。

 巨人阿部でも怖くない。切れ味鋭く勝利を狩り取る藤浪劇場を、プロでもノーカット版でお届けする。【山本大地】