<オープン戦:巨人4-4ソフトバンク>◇3日◇東京ドーム
ソフトバンク帆足和幸投手(33)が巨人相手に3回完全投球をみせた。FA移籍1年目の昨年は左肩の負傷で実績ゼロ。首脳陣から今オープン戦は結果重視の注文を受け、2試合5イニング連続の無失点でアピールに成功した。先発ローテーション入りへ1歩前進だ。
注文通りの商品を届けてこそ、顧客の信頼を得られる。首脳陣から「結果を残せ」の発注を受けた帆足は、巨人打線を3回を投げ打者9人で片付けた。わずか36球のスピード料理。「投げるたびに良くなっている感じですね」。ピザならぬ無失点という結果を届けた“宅配人”は、気持ち良さげに仕事後の汗を拭った。
2回。先頭の4番村田には内と外、速球と緩い球を交互に投げ、高め直球で遊ゴロ。持ち味が出た。「もっとゴロを打たせたかった。フライアウトが多かったけど前回より1歩進んだかな」。内野ゴロ3個の“トッピング”不足を反省しつつも、2試合5イニング無失点は上出来だ。試合前、高山投手コーチに呼び止められ、右手で握手された。「今日は結果にだけこだわれ。分かったか」。ギュッと握った手をなかなか離してくれなかった。言葉以上に伝わった期待に応えた。
FA移籍した昨年は左肩を痛め、わずか1試合に終わった。トップを小さく、肘もサイドハンド近くまで下げた故障防止の今季フォーム。最速133キロ止まりでも、得意のパームボールでタイミングを外しまくった。「今日は剛腕がいっぱい投げていたけど、遅い球でも抑えられるってのを見せたかった。スピードじゃない。切れでしょ」。軟投派の誇りをにじませた。
昨年の実績というリードのない帆足がローテ入りするには、結果しかない。その意味でも秋山監督から「(打者の)間を外しながらね、いいバランスで投げている。状態がいい」という声を引き出せたのは大きい。2度目のテストもクリアし、ほくほくの白星を届ける“宅配人”へ、また少し近づいた。【押谷謙爾】



