<オープン戦:阪神13-5中日>◇5日◇鳴門オロナミンC

 打ち出の小づちは、まだまだ振りまっせ。阪神の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)がまた2安打だ。2回無死一塁で一、二塁間を破ると、4回1死一、二塁は右前打でつないだ。もう「好調」の言葉が申し訳ない安打製造機の助っ人は、打倒中日の意味を分かっていた。

 コンちゃん

 ドラゴンズは、セ・リーグの中でも強いチームということは知っていた。そんなチームに対して、よく打ったんじゃないかな。相手の先発ピッチャーはいい球を投げていたけど、上位から下位までいいスイングをしていたね。

 沖縄から、すべての練習試合とオープン戦に出場。日本の投手に慣れ、欠点を洗い出す意図で送り出す和田監督も、思わず「こればっかりは打つなと言われへんしなあ」と苦笑いした。出場12試合で12安打とともに抜群の選球眼で8四球で出塁率は6割2分5厘。オープン戦3試合だけなら打率7割1分4厘!

 開幕まで取っておけ…なんてヨコシマな考えをよそに、バットでけん引する。

 先生はいなかった。配球や日本文化まで教えてくれる同僚マートンは甲子園で居残り練習。前日4日、バスで2時間かけての徳島入りでは、車中で映画「ハンガーゲーム」を鑑賞。英語を聞きながら同時に日本語の字幕を見て、日本語を勉強していた。独り立ちしてもバットの勢いは衰えなかった。

 コンちゃん

 今はよくボールが見えているし、打つべき球を打てている。日本のピッチャーは、みんなコントロールがいいね。いろんな球種でストライクを取れるから、打てる球を逃さずに打っていくのが大事。

 常に全力でハッスルして愛嬌(あいきょう)もたっぷり、そしてポンポンとヒットを打つ。2打席目は中日岩田の外角スライダーを最後まで見ていた。三振しても、何かをつかんだようにうなずいていた。凡退してもただでは終わらない。勉強熱心なコンちゃんは、簡単に折れる男じゃない。【近間康隆】