日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)の二刀流挑戦に、ミスターから提言が送られた。全体練習だった15日、栗山英樹監督(51)は、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(77)の元を訪れ、球界の大先輩からアドバイスをもらった。大谷は今日16日のオリックス戦(鎌ケ谷)から、1軍のオープン戦に出場予定。21日楽天戦(東京ドーム)までの5試合で結果を残せば、開幕1軍が見えてくる。

 すでに選手、コーチがグラウンドに姿を見せていた練習開始直前、栗山監督が滑り込むように球場に到着した。ギリギリになったのは、尊敬する存在という長嶋氏に会い、注目ルーキーの行く末を論じていたからだ。

 栗山監督

 ミスターと話をさせていただきました。(大谷が)どういう風に進んでいけばいいか。若い人の育て方、投手・打者の育て方、二刀流の考え方…。中身は言えないけど、いろいろ話を聞かせていただいた。

 スポーツキャスター時代から食事をするなど親交がある長嶋氏を、監督就任1年目だった昨季も開幕直前にあいさつに訪れ、帽子のツバに「3」と記してもらった。今年も関東遠征と重なるこの時期に、再度訪問。会話は自然と、二刀流に挑戦している大谷の話題になった。

 輝かしい成績を残した現役時代はもちろんのこと、監督としても数々の名選手を育てた長嶋氏。特に大谷と同じように超高校級の素材として入団した松井秀喜氏の育成など、経験談を聞くだけで、参考になる部分は多かった。二刀流の挑戦にはさまざまな困難も待っているが、栗山監督は「(長嶋氏は)非常に楽しみしてくださっていた」と、背中を押された。

 その大谷は今日16日のオリックス戦(鎌ケ谷)から1軍のオープン戦に出場予定。1試合の中で投打両方をこなすことが決まっている21日楽天戦(東京ドーム)まで、5試合の内容で開幕1軍入りが決まる。この日はブルペン投球もこなした大谷は「しっかり自分のプレーができればいいです。心も準備して、活躍できれば」と、気持ちを高めた。目指しているのは「エース兼4番」という規格外のプレーヤー。ファンも、そして球界の大先輩も、歴史を塗り替えるスーパースターの誕生を、楽しみに待っている。【本間翼】