野球ファンにとって月曜は特別な日。先週を振り返って、今週に思いをはせる。識者に回顧と展望を聞いた。セ・リーグ編は小谷正勝氏(81=日刊スポーツ客員評論家)。古巣DeNA藤浪晋太郎投手(32)の再生論を中心に語ります。
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夏に入りDeNAが調子を上げ、CS進出圏内の3位争いを演じる。先発陣は篠木健太郎、深沢鳳介ら若手の台頭がみられるが、頭数は十分とは言えず、7月に入って、藤浪晋太郎が1軍で2試合に先発した。長年の課題である制球難が克服しておらず、彼のポテンシャルからすれば、残念に感じる。
藤浪の投球フォームは、バランス、リズム、タイミングをはじめとした構成要素すべてが難しい。直前のボールまでいい形に見えても、三振を取ろうとすると、リリースポイントが前にこなくなる。「打たれてはいけない」「四球を出してはいけない」と教育されてきた軌跡、思考が蓄積し、複雑に絡み合っている。
藤浪を復活させるヒントとして「平成の大エース」と呼ばれた斎藤雅樹のような投球フォームへの変更を推奨する。
私のポリシーでは、投球フォームの助言をする時はじっくり観察し、会話を重ねた上で行うものだが、24年限りでコーチングアドバイザーを離れた今は、外から見るしかできないのでここに記す。
プロ野球ファン歴が長い方であれば、ご存じだろうが、斎藤雅樹も上手投げからサイドスローへと転向し、大投手へと進化した。今の藤浪の投球を見ていると、テイクバックが全部同じスピードで、上からボールをたたくよりも、横から投げた方がスムーズに腕が振れ、リリースも安定するように思う。
投手の本分は相手を抑えることだが「打たれることも仕事だよ」と肩の荷を下ろしてあげるのも1つだ。また、ボールの回転数や回転軸といったミクロに向かいがちな視野を広くし、まずは映像でフォームを研究する。客観性が担保されるデータは改善に不可欠な材料だが、向き合う順番に検討の余地がある。
「温故知新」という言葉がある。目から得た情報を頼りにすることは、データが手に入らなかった時代の当たり前だった。好調時との比較から糸口を探してみてはどうか。藤浪は中4日でも完投できる力を持っている。勝つために重要な資質は制球力とメンタルで、目を背けずに向き合えば本来の力を取り戻せる。(日刊スポーツ客員評論家)






