<オープン戦:ロッテ6-4阪神>◇16日◇QVCマリン

 兄貴が相手でも負けられん!

 阪神新井良太内野手(29)は気迫のタイムリーを放った。4回無死二塁、ロッテのエース成瀬の変化球を冷静に見極めると、打撃カウントから直球を中前にはじき返す。7回は1死一、三塁で香月から反撃の適時打。チャンスでの打席で落ち着きが出てきた新井良に水谷打撃コーチの見方も変わってきた。

 「最初は頼りなかったけど、落ち着いて打席に入っているよなあ」

 技術もさることながら、この日、際立ったのは精神力だった。前日、DeNA戦の6回、左腕に死球を受けた。顔をしかめながら、一塁へと歩いたが、首脳陣は大事を取って次の回から交代させた。硬球が衝突した痛みが、一夜でなくなるはずもない。ただ、この日、そのことに触れると新井良は語気を強めた。

 「痛み?

 ないです。出てる以上はないです!

 昨日の(死球)もシーズン中だったら交代していないですから。そういうのがあった後に、気にせずにできたのはよかったです」

 この日、2軍戦では兄貴浩が2安打を放った。和田監督は「試合に入ったらまったくそういうこと(死球の影響)を感じさせなかった」と新井良の精神力を評価しながらも、途中で三塁にまわったことについて「きょうは流れだけど、ないことはないよね。コンラッドも含めて3人がもう1回、そろって競争すれば、活気もでるし、レベルアップにもなる」。

 チームにとっては待ち遠しい兄の復活。ただ、実戦開始からすべての試合で4番を任されている新井良が引き下がるはずもない。開幕への決意は固い。だれが相手でも譲れない。【鈴木忠平】