<オープン戦:ヤクルト8-8日本ハム>◇20日◇神宮
まさに矢のような送球だ。日本ハムのドラフト1位ルーキー大谷翔平投手(18=花巻東)が20日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に「7番右翼」で先発出場。打っては3打数2安打とオープン戦初マルチ安打をマークし、守備では右翼から本塁へ“剛速球”のワンバウンド返球で敵地のファンを沸かせた。今日21日の楽天戦(東京ドーム)で、投手と野手の“二刀流”デビュー予定。オープン戦最後の試合となる24日ヤクルト戦(札幌ドーム)まで1軍に帯同することも決定した。
地面すれすれの“剛速球”。最速160キロ右腕の本領発揮だ。3回1死二塁。右前に落ちた打球に、右翼を守っていた大谷が猛チャージをかける。二塁走者の俊足上田が三塁を蹴る。捕球後、腕を大きく振り、本塁へビュン。低い弾道の返球はワンバウンドで捕手近藤のミットに収まった。タイミングは、余裕でアウトだった。走者へタッチにいった近藤の手からボールがこぼれ、セーフにはなった。「なるべく低い送球を心掛けました。タイミングは良かったけど、もう少しワンバウンドで捕りやすい球を投げられたら。そこはまた、練習したいです」と反省した。
それでも投手と野手の“二刀流”プレーヤーを目指す大谷ならではの強肩に、敵地ファンだけでなく、栗山監督のボルテージも一気に上がった。「あんなことを起こせる外野手は、いない。そりゃそうだよね。160キロの球を投げる投手なんだから」。
昨季までの外野守備陣は糸井、陽岱鋼、中田とリーグ屈指の強肩トリオがそろっていた。糸井がオリックスへ移籍したことで、鉄壁が崩れたように思われるが「翔平が入ると(強肩トリオ再現の)可能性も生まれてくる」(栗山監督)と、指揮官に希望を抱かせるワンプレーとなった。
打席では左右の両投手から3打数2安打。4回にルーキー右腕小川のチェンジアップを右腕1本で拾い、6回は左腕赤川のスライダーをとらえて二遊間を破った。ともに2ストライクからの変化球に対応し「追い込まれてから、しっかり打てたのが良かった」と納得の表情だった。
1試合ごとに新しい魅力を発揮するスーパールーキーは、オープン戦最後の試合となる24日ヤクルト戦まで1軍に同行することが決定。栗山監督は「打者としての見極めが出来ていないから、もう少し連れて行かないといけない」と含みを持たせたものの、開幕1軍入りがぐっと近づいたのは間違いない。
今日21日の楽天戦では、投手と野手の2役をこなす予定。リリーフとして8回に1イニングを投げ、その裏の攻撃で打席に立ち、9回表の外野守備に就く見込みだ。「まずは投げることを優先したい。打撃は今日の延長。投げるのも、打つのも楽しいので、試合ならもっと楽しいかなと思います」。“二刀流”での一流へ向け、新たな1歩を心待ちにしていた。【中島宙恵】



