日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)に“大リーガー養成シフト”を検討していることが25日、分かった。投手としてシーズン中に先発ローテーション入りした場合、先発日以外で試合途中に球場を後にする「早上がり」を適用しない構想を練っている。登板のない先発陣も試合の最後までベンチにいるのは、メジャーでは通例。将来的な大リーグ挑戦の夢を持つ大器にとって、格好のシミュレーションとなりそうだ。

 一足早く、日本でメジャー流を体感できるかもしれない。大谷がシーズン中に先発ローテの一角に入ることがあれば、投打の二刀流ならではの措置が取られそうだ。先発陣は登板日以外、試合終了を待たずに帰宅が許される特例がある。ただ、首脳陣は大谷には適用しないことを検討。スタメンで出場しなくても、終盤で代打や代走として起用する可能性を考慮する。

 「エース兼4番」を目指すからこそ、憧れを持つメジャー式の扱いとなる。大リーグでは基本的に先発投手も毎試合、最後までベンチで戦況を見守るのが通例。くしくも、日本ハム入りを決断する大きな決め手となった二刀流への挑戦が、憧れの舞台と同じ環境をつくることになりそうだ。

 投手・大谷としては、ここまで実戦で2試合に中継ぎとして登板した。157キロを計測した21日楽天戦(東京ドーム)では1軍デビューも果たしたが、今後は先発として育成していくプランがある。野手との兼任で心配されたコンディション面も、栗山監督は「体が思ったよりもうまく来ている」と、手応えを感じている。今日26日に千葉・鎌ケ谷でブルペン入りし、明日27日はイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)で3回、30~50球をメドにリリーフ登板する予定。先発デビューに向けて、着々と段階を踏んでいる。

 この日の休日は鎌ケ谷の寮で静養した。栗山監督は「1日、休ませたい」と、前日24日ヤクルト戦(札幌ドーム)後に移動させていた。指揮官の計らいもあり、1軍同行が続いて疲労のたまった心身をリフレッシュした。シーズン開幕を前に、投手としての調整も抜かりなく行っていく。