西武渡辺久信監督(47)が15日、開幕から3連敗中の岸に「肉食」指令を出した。「勝負の前からオーラが出ていて、これは打てないと思わせることが大事だよね。(ソフトバンク)摂津や(日本ハム)武田久なんかがそう。科学的根拠はないけど、勝てる投手に共通するところ」と指摘。「大勝ちできるボールを投げる」と投手としての能力は一流と認める右腕に対し、「ガツガツ」感を求めた。

 現役時代、渡辺監督自身もそうだった。「オレなんかはハッタリをかますじゃないけど、(意識的に)打者の目をにらみつけたりすることもあった」と回想。打席とマウンドに立てば「年上だろうが、年下だろうが関係ないから」と遠慮は不要と唱えた。今季、アスレチックスに移籍した中島も「投手とは駆け引き。心理戦も大事なこと」と語ったことがある。指揮官が岸へ求める進化は、一流選手に必須の能力だった。

 今季は「骨太」のスローガンのもと、チーム改革案を提言。「泣くな」「ほえろ」「逃げるな」と掲げ、「骨太」集団の構築を求めた。菊池、浅村ら投打ともに若手が成長を遂げる中、先発ローテーションの軸に据える岸がこの壁を乗り越えれば、チームの「骨太化」はグッと上がる。この日、西武第2球場で練習を行った岸は「意識しないでいきます。僕はまだ元気ですよ」と試練に真っ向から立ち向かう姿勢を示した。【久保賢吾】