<日本ハム3-11ロッテ>◇16日◇札幌ドーム

 マリンガン打線が波に乗った。今季2度目の2ケタ11得点に導いたのは、ロッテの野手最年長・井口資仁内野手(38)だった。プロ入り初のファーストで先発出場し、4安打3打点と爆発した。同点の3回2死三塁で勝ち越しの左中間二塁打を放つと、7回には日米通算250号となる左越えソロをマーク。チームも4本塁打で日本ハムを圧倒し、連敗を2で止めた。

 井口の打球の伸びが、ロッテの勢いを表していた。7回、左翼方向へ引っ張った118キロのスライダーは、ぐいぐい進んでスタンドイン。日米通算250号となる、今季1号ソロ。「レフトフライかと思いましたけど。伸びてくれて驚きました」。振れば飛ぶ。そんなオーラをまとっていた。

 三塁打が出ればサイクル安打達成という、4打数4安打3打点。打率2割3分1厘から一気に3割台に乗せた。開幕当初は4番だったが思うような結果が出ず、ナイターの全体練習前に早出特打を行った日もあった。復調のきっかけは、伊東監督の大胆采配。公式戦初の「一塁井口」だった。

 疲労軽減の意味もあり、キャンプでファーストミットをつくった。オープン戦で1度出場したものの「公式戦は全然違う。プロに入団して最初の試合くらいドキドキした」。38歳の初体験。打球処理は1度だけだったが「新鮮な気持ちで打席に立てたのが、いい結果につながったのかも」。緊張感でスイッチが入った。

 野手最年長ながら、今季15試合中14試合に出場。できる時に休めて、1年間起用したい伊東監督も「こんなに打ってくれたら、はずせないよね」と頼りにしている。この日、口火を切ったのは2回のサブローの先制ソロだった。2連敗していたチームで「ベテラン2人に助けられたよ」と指揮官。勝負強さを発揮し、16安打11点の猛攻を演出した。

 本塁打記録で1つの節目を迎えた井口は、ヒーローインタビューでこう言った。「次は日米通算2000本安打。早い段階でクリアして、チームがCSに出られるよう頑張りたい」。あと87安打で、またも次の大記録に手が届く。ここまで6カード中5回、ロッテは初戦に勝っているが、連勝は開幕カードだけだ。「頭を取れたんで、明日もチャンスで1本打ちたいですね」。マリーンズが乗った大きな波は、もうひと暴れしてくれそうだ。【鎌田良美】

 ▼ロッテ井口が今季初本塁打を放ち、通算本塁打は日米合計で区切りの250本になった。内訳は97~04年のダイエー時代に149本、05~08年の大リーグで44本、09年からのロッテで57本。