右足首捻挫で戦線離脱中の日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)が16日、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷でリハビリを開始した。痛みが和らぎ、最初のメニューとしてキャッチボールを志願。患部を包帯で固定し、電気治療を施しながら室内練習場で約80球を投げた。このまま状態が上向けば、ランニング再開を前倒しする可能性も。予定外のサプライズ始動で、完全復帰への手応えをつかんだ。

 大谷がいきなり投げた。リハビリ初日の朝、右足首の痛みが少し消えていた。中垣トレーニングコーチに状態を報告。予定にはなかったキャッチボールを志願した。「投げないと感覚もずれちゃうので」。許可を得るとグラブを持って室内練習場へ。福島2軍チーフトレーナーを相手に約80球を投げた。「昨日までは不安だったけど、思ったより早くいけそうだなと」と再起への手応えをつかんだ。

 思わぬ発見もあった。患部は電気治療器を装着し、包帯で固定した。投手としては軸足だけに、焦って悪化させることは禁物。「今の段階で、できることをやりました」と力は2割程度に抑えた。右足に力を入れなかったことで「しっかり軸足を使わないと(球が)シュートする。甘いコースにも入る」。投球フォームにおける軸足=右足の重要さを痛感した。

 リハビリメニューも前倒しになる可能性が出てきた。当初は2~3日、安静にして経過を見るはずだった。この日は、痛みが引いてキャッチボールを再開。いまだ残る腫れも引けば、予定されていた安静期間内でランニング再開も視野に入ってくる。経過が順調なら、打撃練習も今週中に再開できる見通しだ。

 キャッチボール後は、上半身のウエートトレーニングなどを行った。その後は、鎌ケ谷で行われた2軍戦でスコアブックを付けるチャート係も務めた。「歩いている感じも良いし、昨日より良くなった」。完全復活へ向け、上々のリスタートとなった。【木下大輔】