<ヤクルト6-10中日>◇17日◇神宮

 5年連続で負け越す鬼門が何だ。中日の猛烈新助っ人エクトル・ルナ内野手(33)が、神宮球場で大暴れした。延長11回2死一、二塁。三ゴロが野選を誘い、決勝点をたたき出した。直前の10回裏には抜けていればサヨナラという飯原の打球を横っ跳びで押さえた。ヤクルト小川に2安打を浴びせて、開幕から17戦連続安打、4度目の猛打賞とバットはとどまるところを知らない。岩瀬が9回に2点差を追いつかれる嫌なムードを、まとめて取っ払った。

 竜の優良助っ人ルナが、激闘にけりをつけた。ストッパー岩瀬が9回に同点に追いつかれて迎えた延長11回。ルナが2死一、二塁から三塁ゴロを放った。三塁手の二塁送球を見て、二塁走者岩崎が本塁に滑り込んだ。記録は野選だが、試合を決めたのは、打ちに打ちまくっているルナのバットだった。延長10回には抜けそうな飯原の打球に飛びつくなど攻守で活躍した。

 開幕からのヒットパレードが止まらない。3点を追う4回無死一塁にフルカウントから外角変化球をライト前に転がした。これで17試合連続安打。「自分の記録はあまり興味がない。チームに貢献することが一番」。この日も3安打の固め打ちで打率は4割4分9厘。リーグ唯一の4割台をキープしている。

 最大の強みは対応力だ。前日の試合後にはこんなことを漏らしていた。「神宮球場は(照明が)黄色に見えたり、白く見えたり見えにくい。影ができるからね。影ができるっていうのはおれの経験では良くない照明だ」。チームにとっても神宮は5年連続で負け越す鬼門となる。それでもルナは、きっちりHランプをともした。

 来日してから使用するバットも試行錯誤してきた。メジャーとは違うボールにも対応するため数社のバットをオープン戦で試した。今はオールド・ヒッコリー社のものを使用。前日16日の試合前には同社の製品を取り扱っている担当者と会い、さらに要望を出した。

 5時間3分の激闘を終えて高木監督はご機嫌だ。「勝てば疲れも吹き飛ぶよ。勝てると分かってりゃあ、何回でも、何時間でもやるよ」と自然と笑顔になった。助っ人の大暴れにも「攻守ともに引っ張ってくれとる」とニンマリだ。頼れる助っ人の勢いは止まりそうにない。【桝井聡】

 ◆エクトル・ルナ

 1980年2月1日、ドミニカ共和国生まれ。リセオ・ホセ・マルティン高から99年インディアンスと契約。03年オフにルール5ドラフトでカージナルス移籍。04年にメジャー昇格。インディアンス、ブルージェイズ、フィリーズなどに移籍し、大リーグ通算339試合、打率2割6分2厘、15本塁打、96打点。187センチ、99キロ。右投げ右打ち。家族は夫人と1男3女。今季推定年俸2800万円。背番号0は外国人選手史上初。