<ヤクルト5-3ロッテ>◇18日◇神宮

 これが「勢い」ってものなのか。ヤクルトが大逆転劇翌日に見せたのは、ド派手な「神宮花火大会」。2回のバレンティンの13号ソロを合図に、中村、バレンティンの2打席連続弾、比屋根と、4イニング連続で計4本塁打。1発で全5得点をたたき出し、2連勝を飾った。9回にソロ3本を浴びてヒヤヒヤの展開になったのはご愛嬌(あいきょう)。小川淳司監督(55)は「ともかくも、勝てたのでね」と、ホッとした表情で振り返った。

 前夜の劇的勝利が特効薬になった。17日は畠山の逆転サヨナラ満塁本塁打で7連敗を阻止。それが打撃陣に漂っていた迷いを消した。ロッテの10安打を下回る6安打だったが、思い切りのよさが生まれた。5回、プロ初本塁打を放った比屋根は「ハタケさんの勢いで打てました」と笑った。

 ロッテ先発成瀬は試合前まで防御率0・85。ミーティングでは「四球がほとんどないので初球の甘い球を振っていこう」と意思統一した。それを思い切りよく実行できた。その理由の1つを佐藤作戦兼打撃コーチは「状況が悪い時は『チームのために』って考えすぎて慎重になりすぎることがある。だから、あの勝ちは大きかった」と挙げた。選手の心の重荷が取れていた。

 4本塁打で、そのうち初球打ちが3本と積極的だった。小川監督は「成瀬からそうそう甘い球は来ない。失投をしっかり打てた」と褒めた。ベテラン宮本は「積極的にいけると流れも良くなる」と言った。1つの白星が導いた好循環は、小川監督が「風の影響もあるだろうけど、ボール自体が去年と明らかに違うかなとも思う」と驚くほどの1発劇場を生んだ。

 季節外れの「神宮花火大会」で、最下位からの逆襲劇に加速度が付いた。【浜本卓也】