<ロッテ3-5ヤクルト>◇2日◇QVCマリン

 ヤクルトの新外国人クリス・ラルー投手(29)が、来日初登板のロッテ戦で「ワイルドデビュー」を飾った。2回にセットポジション時の静止が不十分としてボークを2回も取られた。納得がいかず、マウンドを下りて球審に詰め寄る。同点にされて鬼の形相でベンチに引き揚げると、ウオーターボックスを蹴り上げて穴を開けた。

 だが、熱くなるだけでは終わらなかった。相川に「これが日本。みんな課題にぶちあたる。クリアしないと」と声を掛けられ冷静になると、198センチの長身からスリークオーター気味のフォームで投じる動く直球とスライダーでリズムをつくった。7回に3度目のボークを犯して途中降板も連敗阻止に貢献。「3回以降はストライク先行でいけた」と手応えありだ。

 ただ、セ・リーグ最多タイの1試合3ボークは、いただけない。小川監督も「日本で成功するなら変えていかないと」と変化を望んだ。一方で、勝ちへの執念をむき出しにする姿勢に、荒木投手コーチは「いい方向に出てくれればいい」と“熱さ”は歓迎した。初勝利はお預けとなったが、アンダーシャツなしの素肌にユニホームのスタイルで登板するワイルドな助っ人が、低迷するヤクルトに「熱風」は吹き込んだ。【浜本卓也】

 ▼1試合3ボークのセ・リーグタイ記録=ラルー(ヤクルト)

 2日のロッテ3回戦(QVC)の2回に2個、7回に1個のボークを記録。08年ルイス(広島)以来5人目。また、1イニング2ボークもセ・リーグタイ記録で、こちらは過去多数あり。