<広島5-4ヤクルト>◇23日◇マツダスタジアム

 91年生まれコンビの活躍が、劇的勝利を呼び込んだ。広島堂林翔太内野手(21)が、9回1死二塁からプロ初の逆転サヨナラ2ラン。チームの連敗を4で止めた。この1発で、8回から登板した今村猛投手(22)に今季初勝利が転がり込んだ。これからのシーズン、そして2人が背負っていくチームの将来に向け、記念すべき白星となった。

 堂林のひと振りで報われた。ダイヤモンドを1周してきたヒーローを待っていたのは、ナインが用意した水のシャワーだった。無数の笑顔がはじけるなかで、今季初勝利を手にした今村もびしょぬれになっていた。「めちゃくちゃ寒かったです」。だが、こんな“雨”ならいくら降られても、不快な気分にならないはずだ。

 チームは今季3度目のサヨナラ勝ちで3位をキープ。サヨナラ弾は、10年8月27日巨人戦で天谷が打って以来3年ぶりのことだった。今村は「興奮しました」と歓喜の瞬間を振り返ったが「どうにかなると、思っていました」と同い年のスラッガーを信じていた。

 右腕の出番は1点を追う8回。先頭から連打を浴びるなど、1死満塁のピンチを迎える。だが、武内、山田を左飛に打ち取り無失点。9回も2本の安打を浴びたが、ホームベースは踏ませなかった。本調子の投球ではなかったが、執念が今季初勝利が転がり込んだ。「ラッキーです」と笑みをこぼした。

 今村と堂林。2人の出会いは、高校3年の春。センバツの開幕前だった。中京大中京でエース兼4番を務める堂林は、今村にとって一目置く存在だった。話をしてみたいと、知人を通じて連絡先を交換。メールでやりとりをする間柄となったが、いざ開会式で顔をつきあわせると、シャイな右腕はうまく話すことができなかった。

 それから半年後のドラフト。ともに全国制覇を果たした2人は、チームメートとなった。プロで先に頭角を現したのは今村だったが、着実に成長を遂げる堂林に「頼もしいです」と信頼を置いている。固い絆で結ばれた2人が、広島の未来を背負っていく。【鎌田真一郎】