<DeNA6-4阪神>◇23日◇横浜

 阪神の交流戦の3連敗フィニッシュに嫌な予感がした。リーグ戦再開後も2連敗。このままズルズルと…なんて心配は無用。なぜなら西岡剛内野手(28)が元気だからです。いきなり第1打席で二塁打、さらに同点の2号ソロ、右前打。最後は左飛でサイクル安打こそ逃したが、18試合ぶりの3安打猛打賞だ。ムードメーカーが復調すれば、トンネルの出口は近い。

 横浜の青空に一直線の軌道を描いた。西岡が復調を予感させる一撃を見舞う。交流戦は不振が長引いていた。苦悩し、我慢し、必死に耐えた。そんな鬱憤(うっぷん)をスカッと晴らす弾道だ。1点差に迫った3回2死走者なしで1、2球目とも外角を外れる。カウント2ボール。狙い球を定めた。読み通りの甘いスライダーを完璧にとらえた。

 西岡

 打てて良かったです。(カウント)2ボールになったら、捕手がスライダーをね。配球は、ずっと似ていたから。2ボールになってスライダー一本に絞っていました。

 右中間への2号ソロには伏線がある。ベテラン三浦をリードする、若い高城の傾向を見抜いていた。1回の第1打席。2ボールからの3球目スライダーをとらえ、中堅への二塁打を放っていた。直球系を2球並べて同じカウントになり、同じ球種を仕留める。本調子でなくても、打席では冷静だった。5月18日ソフトバンク戦(甲子園)以来のアーチで同点に戻した。

 左膝を痛め、5月上旬から全力疾走ができなくなっていた。動きのバランスは崩れ、打撃不振に陥る。交流戦は打率1割9分6厘。痛みを和らげる注射を打ったこともあったという。「100%ではない。今年は離脱してはいけない年だと自覚しているけど、壊れてもいいくらい、今年にかけている」。ギリギリのところで戦っていた。正念場の交流戦も全試合出場。必死に踏みとどまって、ワンプレーに執念を燃やすのだ。

 「2本目」がヒットマンにとって、何よりの良薬だろう。3回の本塁打は、5月28日楽天戦(甲子園)以来、実に15試合ぶりの2安打目だった。勢いそのままに6回の右前打で今季8度目の猛打賞。サイクル安打に王手をかけた。8回の左飛で惜しくも逃したが、調子は上向きつつある。

 チームは5連敗だが、前を向いた。「悔しいけど、落ち込んでいる場合じゃない」。1回は中堅モーガンの動きを突いて二塁に好走塁。本塁突入の際には体ごと、高城に体当たり。7回には二遊間へのゴロをダイビングキャッチ。黒星続きのなか、機敏な背番号7が戻ってきたのは、何よりの朗報だ。【酒井俊作】