<広島1-3阪神>◇5日◇マツダスタジアム
阪神先発のランディ・メッセンジャー投手(31)が仁王立ちだ。ブルンと剛腕を振るえば、カープ打線は立ちすくむ。馬力は終盤に入っても衰えない。2点リードの8回2死。ルイスにフォークの連投で空を切らせると、剛速球で攻め込む。最後は150キロだ。藤井彰が外角にミットを構えると、ぴくりとも動かず、見逃し三振に片づけた。
初回の1失点だけで今季3度目の完投を、5月23日ロッテ戦(QVCマリン)以来、登板6試合ぶりの白星で飾った。「フジイさんが試合中、何度も話をしてくれて、2人の考えも一致したからね。制球も、自分の投げたいところに投げられた」。150キロ超の直球に緩いカーブでアクセントをつけた。今季7勝目を得て、充実感を口にした。
修正能力の高さも光る。中西投手コーチは「体重移動で一塁方向に流れて(球が)シュートする傾向があった」と指摘。球は上ずり、首をかしげる光景を繰り返した。同コーチが助言したのは「左足のつま先に体重を乗せるのを意識しろ」という点だ。前回登板の6月29日広島戦(甲子園)も3回まで3失点したが、4回以降は切り替え、得点を許さなかった。親指に意識を働かせ、体重移動の分散を防ぐ。一方向へ、より力強さが増していた。
3連敗中だった負の連鎖も断ち切り「連敗ストッパー」を演じきった。長身助っ人は言う。「今日がターニングポイントになればいい。調子自体はいいんだ。勝って乗って行ければいいね」。この日は9回を無四球で106球。球数の過多で苦しんだのが、うそのようだ。中継ぎ陣にも休養を与えてくれた。夏本番を前にして、この安定感、リズム感が何よりも頼もしく映る。【酒井俊作】



