<阪神1-4DeNA>◇27日◇甲子園

 阪神西岡剛内野手(29)は走りながら天を仰いだ。2点を追う8回2死一、二塁。自身の最終打席は遊撃へのゴロとなった。懸命に走ったが、送球は一塁手のミットへ収まった。言葉にならない、いら立ちが伝わってきた。29歳の誕生日、スタメン復帰も勝利には結びつかなかった。

 試合後、西岡は厳しい表情でロッカーを出てきた。5打数無安打。勝負強い男が3度の得点圏で1度も結果を出すことができず。それでも、左膝など体の状態に関する話題は一蹴した。

 「そんなの関係ない」

 前日は最終的に和田監督の判断で欠場した。じくじたる思いで、チームが敗れるのをベンチから見届けた。「自分は壊れてもいいと思ってやっているけど、監督がうまくコントロールしてくれている。個人的に気を使われてしまい、申し訳ない」。試合後は感謝と、恩返しの気持ちを口にしていた。

 そして、迎えたこの日、グラウンドでの試合前練習には姿がなかった。首脳陣によれば、治療を行っており、試合開始直前にスタメンが決まったという。明らかに状態は思わしくないが、グラウンドに立てば、それを見せなかった。

 「連敗を止めないとダメですよね。3回も得点圏でまわってきて、1回も打てなかったら、勝てないですよね」

 5度の凡退、チームの3連敗がもどかしい。西岡は真っ向からリードオフマンとしての責任を背負っていた。【鈴木忠平】

 ▼西岡は29歳の誕生日で5打数ノーヒット。プロ入り後この日の試合では計6試合に出場し、通算26打数3安打、打率1割1分5厘と不振。ツインズ在籍時の11年にはレンジャーズ戦にフル出場したが、このときも4打数ノーヒットだった。