<DeNA4-6広島>◇17日◇横浜

 広島岩本貴裕外野手(27)が、決勝の代打逆転2ランを放った。2点を追う6回に堂林翔太内野手(22)の適時二塁打で1点差に迫り、なおも2死二塁の好機。左中間スタンド最前列に飛び込む、値千金の4号2ランとなった。キャム・ミコライオ投手(29)が復帰し、勝利の方程式も復活。4位中日に1・5ゲーム差をつけ、今季初の同一カード3連勝に王手をかけた。

 盛り上がる左翼スタンドとは対照的に、岩本の心は冷静だった。むしろ、あえて心を落ち着けていた。6回に1点差に迫り、なおも2死二塁のチャンス。コーコランの145キロ直球を「来た球を打つ」というシンプルな思考で捉えた。中堅方向へ強く吹く風にも乗り、打球は左中間スタンド最前列に飛び込んだ。今季4本目の本塁打は、チームを勝利に導く代打逆転2ランとなった。

 「入るとは思わなかったです。風に助けられました。だって、一生懸命に走っていましたから」

 重圧から解き放たれた大砲は笑顔で語った。魅力は長打力。7月25日巨人戦(東京ドーム)でも代打本塁打を放つなど、7月は14打数6安打、3本塁打、7打点と期待に応える活躍を見せた。だが、8月に入り長打を求めるあまりに、月間打率1割7分6厘と確実性も失った。危機感を覚えていた岩本は、打席へのアプローチを変えた。

 「力まないだけ。練習では悪い部分は無かったので。打とうという気持ちから、1歩引いて打ちました」

 自らの技術だけを信じ、パフォーマンスを低下させる邪心を捨てた1発で、持てる力を証明した。

 この活躍にライバルたちも黙っていなかった。1軍昇格即スタメンで起用された天谷が、1打席目に中前打を放てば、8回には松山が、山口の直球を右翼スタンドにたたき込む8号ダメ押しソロを放った。CS争いとともに、外野陣同士の争いも熱を帯びてきた。投手陣は、守護神ミコライオが復帰し、8回今村からの勝利の方程式も復活。理想的な勝利で、4位中日に1・5ゲーム差を付けた。着々と「3位固め」に入る態勢も整ってきた。【鎌田真一郎】