<楽天5-9日本ハム>◇20日◇荘銀・日新スタ
3戦連続のキング弾から首位たたきだ!
日本ハム中田翔内野手(24)が2回に、パ・リーグ本塁打争いトップをひた走る28号ソロ。2点を先制された直後の1発は、打線に活力を与えた。3回にはアブレイユが2本差に迫る26号2ランで続き、9回にはルーキー大谷も右犠飛でダメ押し。若き4番の3試合連続アーチは3年ぶりで、リーグ30号一番乗りも視界に入ってきた。
一振りで空気を変えた。中田が弱冠24歳で4番を張る底力を証明した。いきなり2点のビハインドを背負った直後の2回、先頭打者。楽天戸村の直球を、軽々と力で打ち砕く。楽天ファンが大勢を占めるスタンドが、どよめいた。バックスクリーン右まで運ぶ特大28号ソロ。試合開始と同時に敗戦ムードが漂う中で、チームにパワーを注入した。シーソーゲームを制す、くさびになった。
流れを読む、いぶし銀の仕事だった。「先に点を取られていたので、投手を楽にするためにも、打てて良かった」。10年8月の4試合連続本塁打以来、プロ2度目の3試合連続本塁打。本塁打王争いで、この時点で3本差をつけたアブレイユも触発されるように、3回に一時逆転の2ラン。再び1点を追う展開になった4回には先頭打者の大谷も誘発され、躍動した。右前打&二盗が、再逆転への伏線になった。
みんなが救われた。栗山監督は、この3連戦を最後の大勝負とにらんでいた。この日の木佐貫、今日21日の武田勝、22日の3戦目にウルフを投入する先発ローテーションを組んだ。「楽天に向かっていく責任がある。首位を戦っているチームに失礼」。昨季覇者の意地を見せると期していた。木佐貫の予想外の早期降板をカバーしたのが、信頼を置く主砲だった。指揮官が「翔のホームランがデカイよね。(先制点を)取られてすぐだから」と頭を下げる働きだった。
不穏な珍事の余波も一掃した。山形市内の宿舎から球場へバス移動。通常は約40分間で到着するが、球場周辺で観戦客ら一般車の渋滞に巻き込まれた。所要時間、約1時間20分間で到着。車内で缶詰めになり、慌ててバスから降車してユニホーム姿で一般のトイレへと向かう選手、スタッフも出たほど。それでも中田はテレビ・クルーにいたずらするほどマイペースだった。「誰でも力が入る場面で、どれだけ自然体で打てるか」。好調を維持する心がけをハプニングに見舞われても実践し、打席でも体現した。
アブちゃんとのアベック弾が飛び出した試合は6戦全勝と、不敗神話も継続。中田の本塁打キング争いが、下位からからの反攻の旗印になっている。3年連続のAクラス死守へ、かすかに残る希望の光。中田が奏でる快音に、まだまだすがりたい。【高山通史】



