<DeNA9-8阪神>◇20日◇横浜

 これが「松田遼馬」か。ハマの虎党がどよめいた。絶体絶命の場面を切り抜けた19歳の若武者に、惜しみない拍手が送られた。あどけない表情に、似つかわしくない剛球。山崎の膝元に代名詞のストレートがズバッと決まり、見逃し三振でのピンチ大脱出。もつれた試合で、最後まで勝利への望みをつないだ。

 すべて直球だった。2イニング目の8回2死、代打多村の三塁打から、梶谷敬遠で一、三塁となった。

 「変に考えすぎず、自分の仕事をするだけだと思っていました。ミットを目がけて、思いっきり投げられた」

 この日2安打していた山崎に、一番の武器と自らも認めるストレートで勝負した。1球目、2球目とボール。3球目、胸元の直球で押し込み、三塁ベンチ前へのファウルフライ。終わったか-。飛球を追った関本がキャッチできず、仕切り直しになった。立ちこめる、嫌なムード。マウンドにいる19歳の、心は折れなかった。

 4球目、外角いっぱいに速球が決まった。追い込んで5球目、今度は膝元に決め見逃し三振。バットも振らせず、さっそうとベンチに下がった。

 7回裏に4番手で上がり、4番後藤の空振り三振から3者凡退。2イニングを0封で、デビュー以来の連続無失点は15戦、17イニングに伸びた。「いつかは取られるので、0を継続というより、自分の仕事をしっかりしたい」。1試合で自力Vの可能性が消滅した今、逆襲への大いなる希望が松田遼馬だ。