左手の亀裂骨折で今季絶望の可能性が出てきた日本ハム中田翔内野手(24)が22日、今季中の1軍復帰に意欲を見せた。仙台市内のチーム宿舎を出発する前、熱い思いを吐露。「すごく悔しいし、(試合に出られず)腹が立つ」。続けて再始動へ視線を向けた。「走ったりとかしかできない。骨がずれないように、変に大きな振動を与えないようにしないといけないけど。できることを、しっかりやりたい」。強い決意を語る若き主砲は、早期の戦列復帰を見据えた。

 負傷から一夜明けても、悔しさは募るばかり。一時離脱するチームに対して「ここからという時に1人だけチームを外れてしまう。申し訳ない」。栗山監督も落ちこんでいた。「心、傷ついてるよオレ」と、監督就任以来4番を任せ続けた大砲の不在を嘆いた。「翔のために必要な時間だと思え、思えと自分に言い聞かせたよ」。中田の未来を第一に考え、心を静めた。

 この日、札幌市内の病院で再検査を受け、前日同様に左手第5中手骨の亀裂骨折で全治4週間と診断された。今後は札幌市内の自宅で静養。チームが本拠地へ戻る27日からの西武3連戦中に、首脳陣と経過報告のための「面談」を予定している。状態を見ながら、札幌か2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で運動を再開する見込みだ。【木下大輔】