<中日1-4阪神>◇24日◇ナゴヤドーム

 阪神のルーキー藤浪晋太郎投手(19)がまたもや強運を発揮した。プロ初の中5日で先発した中日戦。制球が乱れ、苦しい投球となったが6回を投げ、失点は犠飛の1点のみ。10勝目こそ逃したが、藤浪の踏ん張りに応えた打線が9回に逆転した。自身5敗目は消え、8月は4戦3勝と負けなし。次回予定の31日広島戦、甲子園で2桁勝利に再挑戦する。

 10勝目はお預けになってもチームが勝てたことがうれしかった。9回に待望の勝ち越し点が入ると、ベンチ後方にいた藤浪は跳び上がるように喜んだ。終盤の逆転劇。終盤のドラマを演出したのは藤浪の踏ん張りがあったからこそだ。

 「今日はリズムが悪かったです。その中でゲームメークはできたので、悪くはなかったと思います」

 中日カブレラと我慢比べ。お互いピンチを招きながら、要所をしのいだ。藤浪は立ち上がりから、制球が定まらない。6回まで打者26人に対し、初球ボールは13人。7度3ボールとした。2回から4イニング続けて先頭打者を出塁させた。

 痛恨は5回だ。先頭の投手カブレラを歩かせると1死満塁と傷口が広がった。4番和田には左犠飛。自ら招いたピンチで先制点を与えてしまった。悔しさを押し殺し、グッと唇を噛む。だが、そこから崩れないのが藤浪だ。続く平田を空振り三振に斬ると6回はこの日初めての3者凡退。6回を最少失点で投げ終えたことが逆転劇を呼んだ。

 初めての中5日先発だった。調整期間が短くなるが、中6日の場合とブルペンに入る回数は変えなかった。中西投手コーチが「試合前のブルペンでは、今年一番良かった」と話すように、調子自体は悪くなかった。心配された体力面も、まったく影響なく、土屋トレーナーが「自分でしっかり体調管理できている。中5日の使い方も、試合に合わせて自分で考えられていた」と感心するほどだった。初の中5日で影響がなかったといえばうそになるが、19歳とは思えない対応力を見せていた。

 和田監督も「合格点をあげられるんだけど」と及第点を与えた。しかし、期待のレベルは高い。「もう1度、1(いち)を大事にしていかないと。イニングの先頭、初回、ベースカバーの1歩目、1球目。1を再確認して、やっていかないと」。ルーキーに求める次元を超え、一流への課題を与えた。

 次回登板は31日広島戦の予定。慣れ親しんだ甲子園を味方に、10個目の白星を手にしてみせる。【山本大地】