3年前の再現だ。ソフトバンク秋山幸二監督(51)が開幕からの独走Vを約束した。李大浩とスタンリッジ、ウルフ、サファテら「国内組助っ人」や中田、鶴岡のFA組など計8人を補強。助っ人でも調子や体調で入れ替えるローテーション制で戦力をキープするのは、史上初の完全優勝と日本一をつかんだ11年シーズンとそっくり。ぶっちぎりVしか見ていない。

 新年の所信表明はシンプルでいい。「いいスタートを切りたい。いい形で最後までいきたいね」。開幕からの独走。秋山監督は普段と同じ穏やかな口ぶりだった。ただし心は燃えている。去年は就任5年目で初のBクラス4位。成績責任を自問して出した答えは退任などではなく、リベンジ。「人は人だろ。やり返す?

 それしかないだろ」。当時の思いを再確認され、クワッと鬼の顔になった。

 王会長を筆頭とするフロント陣とのタッグで大型補強を完成させた。「先発と抑えの部分、打線では4番を固定できなかったし、捕手もね。弱い部分を補強するわけだから」。中でも注目は昨年までオリックスの主砲だった李大浩。もちろん「ドシッと構えて成績を残してもらわんと。そういう形になればベスト」と4番の最有力候補に挙げる。

 古巣復帰のスタンリッジにウルフ、サファテ、カニザレスを加え外国人だけで5人を獲得。2年ぶり復帰の岡島、FAで中田、鶴岡と、ドラフト以外で8人の新戦力を迎え入れた。外国人は既存3人も含めた8人で1軍の4枠を争うという激しさだ。

 秋山監督は待っていた。「競争は激しくなると思うし、その中で調子のいい人が出ればいい。けがもあるし、高いレベルでカバーできると最高じゃないかな。そういうチームづくり」。他球団がうらやむぜいたくな“助っ人ローテーション制”は11年に似る。けが人が出ても厚い選手層で補い、チーム力を下げずに、史上初のセ・パ全球団に勝ち越す「完全優勝」を遂げた。2位日本ハムに17・5ゲーム差をつけ、日本シリーズ制覇まで突っ走った。

 秋山監督は「いいスタートを切って戦力が固定できれば結果を残せる。そういう形(独走)になってくる」と青写真を描いた。「最初は5番、6番でいい、という考えはない。選手がその気になってやっていかんと」。摂津、内川ら投打の柱はいる。あとは新戦力といかに融合させるか。

 現役時代に弱かったダイエーを強いチームに変え、監督となって黄金期をつくろうと5年が過ぎた。今年は3年契約の最終年とされる。「早6年か。まだまだ。理想は高いものを求めるよ」。苦しみの末に飲む美酒の味は覚えている。巨大戦力で重みの増したタクトを軽やかに振ってみせる。【押谷謙爾】