<巨人10-2DeNA>◇7日◇東京ドーム
5号も6号も、特大弾も、1本に変わりはない。オレンジ色の大歓声を受け、巨人村田修一内野手(33)は、悠然と2度目のダイヤモンドを回った。7回先頭打者。三嶋の3球目、外寄りスライダーをはじき返した。右翼への2本目。「今までは、1回引いて、もう1回引く2段スイング。今日は監督の言う最短距離を意識し、いい感覚でスイングできた」。2回の同点ソロも尚成の失投を見逃さず、右翼へぶち込んだ。
試合前、原監督からゆっくり引き、速く出すスイングを学んだ。あの時の言葉も男の心の中に残った。4月9日広島戦の8回、球史に残る特大弾をかました。今村から放った打球は一直線で東京ドーム左翼最深部の天井に当たり、照明にはね返って左翼フェンス手前に落ちた。推定飛距離約157メートル。直後、言われた。
原監督
どれだけ飛ばしても、1本は1本だぞ。
重く受け止めた。村田は「その通りだなって。こういう時(特大弾)の後だからこそ、丁寧に打つことが大事」。翌10日広島戦の試合前の打撃練習。柵越えは無かった。より丁寧にスイングした証拠であり、1本の重みを感じた時でもあった。
胸に抱えていた思いがあった。試合前、巨人の選手会長として、日本野球機構との労使間の懇話会に出席。統一球の反発係数に対して上限下限を撤廃して目標値を定める新提案をした。「ボールがどうこう言われるのは、僕らは望んでいない」。心中は至ってシンプルだった。
試合後も「今日打てたけど、明日も大事なので」と2発の余韻に浸る余裕などない。右翼への1試合2本は、11年10月22日、横浜(現DeNA)時代の巨人戦以来だったが、男・村田には関係ない話だ。飛ぶ球、飛ばない球、球質が何でも柵越えすれば本塁打。どんな飛距離でもだ。ただ打つ-。1本は、1本なのだから。【栗田尚樹】



