<中日7-0阪神>◇7日◇ナゴヤドーム
悲しみのゼロが雪のように積もり、誰もがウオオオオと泣いている。藤浪、大谷とともに高校BIG3と騒がれた中日2年目の浜田に、虎打線が沈黙した。岩崎を思わせる小気味良い左腕にタイミングが取れず、今季2度目の完封負け。川上の予告先発回避で情報量が少ないというハンディはあったものの、浜田にワンマンショーを許してしまった。
リーグ屈指の破壊力を誇る猛虎打線が、19歳に封じ込まれた。9回2死、最後は大和外野手(26)が右邪飛に倒れた。藤浪世代の2年目左腕・浜田にプロ初先発で初完封を許してしまった。和田豊監督(51)は今季2度目の完封負けを喫した後、険しい表情で会見場にやってきた。
「今日の場合は打線(の状態)が落ちているというより、初ものに対してというところだろうな。ほとんどタイミングが取れていなかった。俊介とマートンくらいだろう」
予告先発の川上が腰痛で回避。浜田は急きょ先発を命じられた。若者らしく、初回からどんどん腕を振って向かってきた。140キロ前後のストレートに、猛虎の各打者が差し込まれた。直球を仕留めきれずに追い込まれ、鋭いフォーク、スライダーで三振を奪われるパターンを繰り返した。散発の6安打。疲れが見えた7回以降に走者をためたが、最後までとらえきれずに終わってしまった。
「そんなに速くないけどガン(表示)よりキレがあって、ほとんどの打者が(タイミングが)合っていなかった」
指揮官が振り返ったように、初対戦の相手に最後までペースを握られた。“予習”の時間が少なかったことは事実だ。中日が川上回避を申し入れたのは、阪神がナゴヤドーム入りした午後3時過ぎ。中日森ヘッドコーチが黒田ヘッドの元にやってきた。阪神は浜田対策として、左腕の打撃投手でフリー打撃を行った。午後4時10分、谷繁監督と和田監督、審判が立ち会って承認した。浜田の先発が正式に決まった。
「これはあり得ることやしね。ルール上、認められていることだから。確かに昨日から分かっていたわけではないけど、今日(2軍から)上がってきたわけじゃない。初戦の前に対策は練っているわけだから」
先発変更の申し出を承認した。だから和田監督は言い訳にはしなかった。開幕から打ちまくってきたが、打線に波はつきもの。突然の“浜田ショック”を単なる小休止とするために、猛虎打線は前を向く。【鈴木忠平】
◆予告先発投手の変更
リーグから発表後は原則として変更できない。セ・リーグが12年3月に定めた実施方法によれば、やむを得ない事情で変更する場合はできる限り早く相手球団、セ・リーグ運営部へ連絡をとり、相手の打撃練習やラインアップ構成などに迷惑をかけないよう配慮。正式な変更手続きとしては当日、球場で審判員立ち会いのうえ監督が相手監督へ直接申し出る。変更された投手(この日は中日川上)は当日のベンチ入り人数に含めるが出場できない。



