<ソフトバンク4-3中日>◇12日◇ヤフオクドーム
今季3度目のサヨナラ劇は「極上」の肩書付きだ!
0-3の9回。ソフトバンクは中日の守護神岩瀬に食らいついて2死満塁とすると中村と今宮の連続適時二塁打で一挙4得点の大逆転。驚異の粘りで連敗を防いだ。ヤフオクドームの屋根を開放する「ルーフオープンデー」で5連勝とした。
まれに見る逆転サヨナラ勝ちに秋山幸二監督(52)も言葉が出ない。「終わってみれば…」。しばしの沈黙を挟んで続けた。「野球は分からないな。最後の1アウトを取るまで」。敵将も同じ心境だろうが、結果は天国と地獄。「こういうのもドラマだから見ている人は面白いんじゃない」。普段はリップサービスをしない。その分、興奮ぶりが伝わる。
9回だ。中日の抑え岩瀬に対し、3点差では希望を抱きにくかった。それでも長谷川が左前打で口火を切ると、1死から鶴岡が中前打、2死から江川が四球を選んで満塁と食らいついた。中村が左翼線への適時二塁打で2点を返し、流れは変わった。秋山監督は「チャンスはありながらずっと点が入らなかった。その辺がどうかなと思ったが、最後につながった」と振り返る。
逆転劇の大トリはここまで2安打の今宮が務めた。「岩瀬さんはシュート、シュートの意識。そこで甘いスライダーに体が反応しました」。内角低め。今宮の最も得意とするゾーンに飛び込んだ獲物だった。体は本能的に軸回転を起こし、左中間を真っ二つに割るサヨナラの2点適時二塁打を生んだ。
“海風”がやんで神風が吹いた。ここまで4連勝で人気の企画「ルーフオープンデー」だったが、ドームの屋根を開放した8回まで打線は沈黙した。本塁打や犠飛はあるものの、適時打は23イニング出ていなかった。屋根が閉じ、人気企画が終わった9回に極上のドラマがあった。「ドームが閉まって良かった。(2回の)和田さんの打球もホームランと思ったのが、思ったより飛んでなかったので」。今宮の今季2度目のサヨナラ打は海風の影響を受けず、大島の頭上を伸びていった。
初ものの中日大野に苦しみ、エース摂津を援護できなかった打線が最後の最後に力を振り絞った。【押谷謙爾】



