<ロッテ2-1楽天>◇7日◇QVCマリン

 ロッテが連夜のサヨナラ勝ちで5連勝を決めた。同点の延長10回裏1死二塁、角中勝也外野手(27)がセンターへ適時二塁打。前日6日、9回に一挙6点を奪ってサヨナラ勝ちした勢いは続いていた。序盤にも、5年目で初スタメンの大嶺翔太内野手(22)が3回の第1打席に左中間席へプロ初安打となる先制1号ソロを放った。まだ借金7があるものの、チームのムードは高まっている。

 サヨナラ二塁打を放った角中を目指し、ナインが二塁ベース付近に殺到した。連夜の歓喜の輪が広がる。1死から加藤が放った打球が一塁アンツーカーと芝の間に当たって二塁打となる幸運が布石となった。前夜の勢いが残っていた。伊東監督も「あれでサヨナラ行ける雰囲気になったね」と予感した。

 角中とともにお立ち台に立ったのは先制ソロを放った大嶺翔だった。QVCマリンのお立ち台に立つのは初めて。「人がいっぱいで気持ちいいです」と言ってスタンドのファンを喜ばせた。積極果敢だった。塩見の初球スライダーを思い切りよく振り抜いた。立花コーチから「外の高めを狙って右中間方向を意識しろ」とアドバイスを受けていた。おかげでスムーズにバットが出た。「初スタメンの日に初安打、初ホームランが打てて本当にうれしい。忘れることの出来ない1本になります」と言葉も弾んだ。

 試合前、今江が腰痛のため急きょスタメンに入った。これも因縁なのだろう。昨年のオフから自主トレで師事している関係だ。「今江さんからは野球に対することを優しく厳しく教えてもらっている」。前夜のサヨナラ劇の9回にチャンスで代打を送られた悔しい思いをぶつける恩返しの一打となった。昨年8月には結婚。9月には女の子が生まれた。アフロヘアで自主トレに臨み話題となったが、それも変化を求めた結果だった。「ホームランボールは嫁さんと子どもにあげたい」と言って照れた。

 伊東監督も称賛を惜しまない。2軍では守備の練習にも力を入れていることも知っている。「伸び伸び若者らしいスイング。僕も満足だ。日ごろの努力があってこそ。これからが大事だよ」。チームに勢いが生まれ、次世代のレギュラー候補も誕生した。【矢後洋一】

 ◆大嶺翔太(おおみね・しょうた)1991年(平3)9月17日、沖縄県石垣市生まれ。八重山商工では甲子園出場なし。09年ドラフト3位でロッテ入団。今季はイースタン・リーグで71試合に出場し、打率3割、6本塁打、41打点。今月1日のオリックス戦で1軍デビューした。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸530万円。家族は夫人と1女。兄はロッテ投手の祐太。