<オリックス0-1ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪
ソフトバンク武田翔太投手(21)が7回無失点の好投で2勝目を挙げ、同一カード3連敗を阻止した。右肩痛から復帰2戦目の右腕は序盤から縦の変化球を効果的に決めた。7回のピンチも踏ん張り、自己最多127球を投げ抜いた。京セラドーム大阪はこれで5戦4勝と負けなし。首位のチームは同球場の今季8戦目で初勝利。2位オリックスと再び3差に広げた。
武田は力のないゴロをがっちりつかむと、一塁へ駆け寄って慎重にトスした。そのまま小走りでベンチへ。7回2死満塁と最大のピンチ。リーグ首位打者の糸井を打ち取った。マウンドで表情は不変。実は、緊張で激しく鼓動していた。
「心臓が飛び出しそうだった。あそこを抑えたら勝てると思って、ギアを入れ直した。チームが連敗してたんで、自分のピッチングで流れを変えられたらいいと思っていた。調子はよくなかったが、細川さんのリードに助けられた」
オリックスのルーキー吉田一が5回まで2安打投球。息詰まる投げ合いが続いた。「1点もやれない」と覚悟を決め、プロ最多127球を投げきった。軸となったのは自ら「生命線」と語る縦の変化球だった。
握りに細かな違いをつけたカーブとスライダー。フワッと浮いて急激に落下する。「打者の目線が上がってた。効いたかなと思う」。7回無死一、三塁でも、前日決勝打の代打鉄平に縦のスライダーを4球続けた。空振り三振を、狙って奪った。不振だった2年目に制御不能となった武器を完全に取り戻した。
その裏にフォーム改善があった。開幕からファーム調整の原因だった右肩痛が治ると、「股関節が回るように」と投手プレートの踏む位置を一塁側から三塁側へ変更。福岡・西戸崎のブルペンでは、プレートからホームベース外角へ1本の線を引き、投球を繰り返した。すると「抜けがちだった」という縦の変化球にも「上から落とす感じが出てきた」と効果があった。
高卒1年目の2年前は、7月のデビュー後に8勝。「あの時はすべてに力を入れていた。今は打たせて取るのを意識して、ここぞというところでギアを入れる感じ」。昨年より体重が10キロ増えた3年目。投球術も大人になった。6日の今季初先発から2戦2勝、計12回を無失点とした。
負ければ1差に迫られる危機を救った。チームが今季未勝利だった“鬼門”で、自身の連勝を5に伸ばした。秋山監督も「よう粘ったよ」と絶賛。今後は中6日での先発ローテーションに組み込まれる可能性も出てきた。「やっと2勝目。今まで迷惑をかけたので、これからもっとしっかり投げたい」。21歳が首位のチームを加速させる。【大池和幸】



