「アンパンマン」が生まれ変わる。広島松山竜平外野手(29)が7日、広島市内でのトークショーに出席。肉体改造に取り組み、すでに体重が94キロから5キロ減の89キロとなったことを明らかにした。緒方孝市新監督(45)が求める野球を体現するため、強靱(きょうじん)な「アンパンマンボディー」を追求。レギュラー奪取を狙う。

 打撃が売りのスラッガーが今オフ、バットを置いている。「アンパンマン」の愛称で、カープ女子よりも子どもや年配ファンからの支持が高い松山が、肉体改造に着手している。

 例年オフは、バットを振り込んできたが「秋季キャンプが終わってからバットは握っていません」。秋季キャンプでポイントを近づけ、すり足にする打撃フォーム改造に取り組み「自分の中では完成形に近づいている」。新スタイルへの手応えが、年内ノースイングを決断させた。「正直好きではない」と言う筋力トレとランニングだけによる体力づくりに専念だ。食生活も炭水化物を減らし、野菜中心に切り替え、大好物の白米も茶わん1杯に控える。すでに5キロの減量に成功して89キロ。さらに2キロ減らし、87キロまで絞り込むつもりだ。

 今季は規定打席に届かなかったものの、自己ベストの打率3割1分8厘だった。しかし、春季キャンプ中に左太もも痛で出遅れ、6月には「左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷」で長期離脱を余儀なくされた。秋季キャンプでは、3日目に緒方新監督から初カミナリを落とされた。「あのおかげでもっとやらないといけないという気持ちがさらに強くなった。期待されていると、プラスに捉えたい」。緒方監督の方針から、打てるだけではレギュラーの座はつかめない。

 「筋力は落とさず体重を落として、体のキレを出したい」

 今季までの背番号「37」は、ドラフト1位の野間峻祥外野手(22=中部学院大)に譲った。新たな「44」の背番号とともに、松山は生まれ変わる。「顔は変わりませんから」とアンパンマンの愛称は継続しつつ、ギュ~っと絞り込まれた体から、相手投手をKOするアンパンチを繰り出していく。【前原淳】