中日吉見一起投手(30)が原点回帰で復活シーズンに備える。プロ入り後初めて母校・金光大阪のグラウンドで自主トレを行うことを30日、明かした。

 「あそこは思い出の場所ですね。気分転換にもなると思います」と意図を明かした。ここ3年間は愛知、大阪などから福岡を経て沖縄に移るパターン。「貸してもらえないと勝手に思っていた」と、母校を訪れることはなかった。

 学校側に依頼したところ快諾を得て、自由に使える手配をしてくれた。今回は元日から体を動かし、新年早々にも汗がしみ込んだグラウンドに足を踏み入れる。「結構、本格的にやると思います」。同校野球部OBの弟を連れて走り込み、ボールも投げる。

 右肘の不調でこの2年間は1勝のみ。「同じことばかりしていちゃダメ。何かを変えないと」。今オフは投げる練習に時間を多く割いている。「これまで走るのが8割、9割だったけど、今年は投げる方を6割、7割」というほど、手にグラブをはめている時間が長い。ナゴヤ球場での年内練習を打ち上げたこの日も、室内で約40メートルのネットスローを繰り返した。

 1月はさらに、この秋から通い始めた鳥取のトレーニング研究施設「ワールドウィング」も訪れ、その後は先乗りで沖縄に場所を移す。「ずっと動かしておけば(キャンプの)入りにも苦労しない。今は感覚もいいので、継続していきたい」。年をまたいでアクセルを踏み込んでいく。【柏原誠】