巨人ドラフト1位の岡本和真内野手(18=智弁学園)が、超ド級のスイングで輝きを放った。8日、川崎市のジャイアンツ球場で新人合同自主トレがスタート。ダッシュ、キャッチボール、ウエートトレなど約5時間汗を流した。将来の主砲として期待される岡本はティー打撃でバットを握った瞬間、表情や身のこなしがガラリと変身。「7割」の力ながら、力強く振り抜き、首脳陣を驚かせた。

 スラッガーの本能が、ほとばしった。午前の部、最後のメニューのティー打撃。バットを持った瞬間、岡本の体にスイッチが入った。183センチ、95キロの恵まれた体格から、「7割くらいの力で」スイング。18歳ながら、体の内からバットを出す高等な技術を披露。20球×4セットの80球だったが、大砲の片りんを示すには十分だった。

 プロの目から見ても、キラリと光った。川相ヘッドコーチは「ボールとバットの接着時間が長い。バットを振る時にこねてないし、うまくボールを運んでいる」と評価。「スカウトから聞いた話では、(日本ハムの)中田以来の存在じゃないかと聞いている」と加えた。清水打撃コーチは「楽しみな存在。打球が強かった」と目を細めた。

 思い描く姿は、「岡本流」だった。高校通算73本塁打を放ち、最大の魅力は長打力。本人も「長打力を求められていると思っているので、そこを伸ばしていきたいです」と誓うが、理想の選手は「理想にしてても、その選手になれないので」と言った。「主砲・岡本」の未来予想図は、自らの手で描き上げる。

 高校時代も、そうだった。憧れは「(西武の)中村剛也さん」と挙げたが、打撃の参考にしたのは、智弁学園のチームメートだった。「いいところを持っている選手がいるので、自分の目で見て、足りないところを学んだ」と説明。今後は「すごい先輩がたくさんいるので、学ばせてもらって、もっとうまくなっていきたいです」と誓った。

 大きな注目を集める中でも、岡本自身は、冷静に己を見つめた。合同自主トレの初日、掲げたテーマは「気」。「初日なので、しっかり気持ちを入れてやっていこうと」と決めた。張り切りすぎて、オーバーワークになりがちだが「ケガをしないように、しっかり体を作っていければ」と話した。巨人の未来を担う大砲が、どっしりとスタートを切った。【久保賢吾】