阪神の新人合同自主トレが8日、鳴尾浜で始まり、ドラフト2位石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が「隊長」として先頭を走った。ランニングメニューでは想像以上の強度に驚きながらも、社会人時代もチーム一だった脚力を発揮。新人5選手で最年長の自覚から、合同トレを盛り上げた。

 午前10時3分。石崎は左翼側出入り口から一番乗りでグラウンドに足を踏み入れた。続々と訪れる首脳陣、チームメートを見つける度にペコリ、ペコリ。先頭に立ってランニングを開始するとキャッチボール、トス打撃を次々に消化した。そして最後の関門-。約20分間のポール間走。ドラフト5位植田から1人ずつ、右翼から左翼、左翼から右翼への長い道のりを淡々と走る。その節々で石崎は仲間に声をかけた。

 「ナイスラン!」

 4位守屋はゴールする度に息を整えるため周囲を歩き回った。5位植田は「足が重いです」と練習の強度に驚く。それでも石崎は軽快にピッチを進めた。「自分はランニングが得意なのですが、思った以上に息が切れました」。新日鉄住金鹿島時代は定期的に行われる3キロ走を常にトップで走りきった。走った上での余力は仲間のために使った。

 石崎

 みんなで支え合っていけばきつい練習も楽になる。後輩、先輩、同期に関係なく自分が声をかけていきたいです。

 新人5人は一致団結して1歩目を踏み出した。石崎はルーキーでありながら社会人生活6年を経ての入団。現在24歳でリーダー役を買って出る。最年少のドラフト5位植田とは6歳差。それでも「バランスがとれている。1人が(他のメンバーから)抜けてというのはない」。6日の入寮から過ぎた時間はたったの3日。それでも仲間意識を保てるのは、石崎がまとめているからだった。5人が1つになることが、新人合同自主トレの質を高めることに違いない。

 石崎

 (2月1日に)期待に応えられるようにスタートしたい。存在感をアピールしていきたい。

 チームの主力が集まる「宜野座」という言葉はグッと胸の内にとどめた。ここまで新人全選手が高知・安芸でキャンプインするプランが浮上しているが、1月の動き次第で覆すことは十分に可能だ。最終判断は今月23日のコーチ会議で下される予定。これから訪れるアピールチャンス。その場その場で石崎は先頭を突っ走る。【松本航】