2015年のV補強は鳥谷や!!

 阪神坂井信也オーナー(66=電鉄本社会長)が9日、鳥谷敬内野手(33)の残留表明を喜んだ。今オフはアスレチックスからFAとなった中島やオリックスから国内FA宣言した金子らの獲得に失敗し実質的に補強ゼロの状況だった。最後の望みだったキャプテンが阪神愛を示し「最大の補強」と声を上ずらせた。球団創設80周年の今季、球界に誇る鉄人とともに悲願の日本一に挑戦する。

 ちょっと遅れてきた新年のお年玉は格別な喜びをもたらした。阪神残留か、メジャー移籍か。誰もが気をもんでいた鳥谷の去就。前日8日夜、高野球団本部長への電話で残留の意思を表明。朗報が届き、虎のトップも胸をなでおろした。

 坂井オーナー

 本当に分からなかったですし、どうなるのか心配していた。鳥谷君が残ってくれて気持ちとしてグッと前を向いていける。最大の補強だと思っている。不安が90%くらい、どこかに飛んでいった。

 このオフ、動向を注視していた日本ハム宮西、中日山井が残留。ロッテからFAした成瀬は獲得を断念し、中島に振られ、金子とも縁がなかった。実質的に補強ゼロで戦力の上積みがない状態だった。坂井オーナーも「(補強は)マスコミに言われているほど失敗とは思っていませんでしたが、鳥谷君までメジャーに行くとなるとマイナスからのスタートになってしまう」と胸中を明かす。チームの窮地を救う結論だった。

 その一方で、主将の心境を察する。鳥谷は阪神に入団当初からメジャーに憧れていた。今オフ、粘り強く慰留した3度の交渉でも、米球界への思い入れが痛いほど伝わってきた。年齢的にラストチャンスになるだろう。追い続けた夢を断念し、人生の岐路で阪神を選んだ「重み」にも触れる。

 坂井オーナー

 彼も彼の夢があるだろうから、彼の夢をつぶすような発言は控えようと思っていた。ただ、いろいろな情報があったけど、そういうのは一切、信じないようにしようと思っていた。タイガースに優勝をもたらしたいと思ってくれたんだと信じています。そういう意味でも決断を重く受け止めています。来年以降も、長く、ずっとうちでやってもらいたい。

 昨年11月に海外FA宣言してから交渉は難航し、回答は年を越した。最終期限は週明けだったが、鳥谷は前倒しして吉報を届けた。これも阪神側に配慮する心意気だろう。生え抜きで11年間、阪神を支えてきた鳥谷は球団創設80周年のシンボルそのものだ。生涯タイガースへ。鉄人の歩みが、V奪回への道筋になる。