正三塁手争いへ、どうだ、みましたか!

 広島の堂林翔太内野手(23)と美間優槻内野手(20)が10日、今キャンプ初の紅白戦でそろって2打数2安打と打撃でアピールした。三塁バトル渦中の2選手が1歩も譲らないしのぎ合い。若手の発奮で、激しい争いがさらに熱くなる。

 指揮官に届けとばかりに、快音を響かせた。紅組「6番・三塁」の堂林が2安打を放てば、負けじと白組「7番・一塁」の美間も2安打。2選手のアピール打を見届けた緒方監督は「堂林は2安打で気分的に変わったのか、その後の打撃練習でもいい感じで打っていた。美間は内容のある打撃だった。守備も良かった」と評価を口にした。

 12年に全試合出場を果たした堂林だが、ここ2年は結果を残せていない。オフから体の使い方を見つめ直し、今キャンプ第1クールも意識付けに終始。実戦形式の練習が入る第2クールからギアを上げた。「打者は受け身でも攻めていかないといけない」。紅白戦の第1打席では浮いたカーブに体が反応し、体勢を崩されながらも左前に運んだ。オフから取り組んできた成果は確実に実を結んでいる。「結果が出たのは良かったですが、続けられないのが僕のダメなところ。明日からも続けていかないといけない」。目先の結果に左右されず、しっかりと先を見据えていた。

 一方の美間は1軍経験がない。1軍キャンプにいる三塁手候補の中で、序列は最後方だろう。新井、小窪ら実績組と並ぶノックでは「緊張する」と初々しさをのぞかせる。しかし打席に立てば別。第1打席ではチェンジアップを中前に、第2打席はストレートを左前に打ち返した。「気負い?

 何ですかそれ。欲はないですよ。でも1本、長打を打ちたいですね」。1軍キャンプ最年少は、全く重圧を感じていない。

 新井と梵には実績で及ばず、小窪は首脳陣から打撃を高く評価されている。若い2選手にとっては全てがアピールの場。群雄割拠の三塁定位置争いにしがみついていく。【前原淳】