沖縄行きの切符をつかむ。広島の宮崎・日南キャンプで13日、今村猛投手(23)が1軍に合流した。今年初実戦となる今日14日の紅白戦は、1軍昇格へのテスト登板。13年まで3年連続50試合登板とブルペンを支えた右腕も、昨季の低迷で与えられたポジションはない。結果を出して、沖縄2次キャンプ行きをたぐり寄せる。

 今キャンプ最多の18投手が詰めたブルペンは熱を帯びていた。特に2軍から合流した投手たちはアピールに懸命だった。しかし同じく2軍から合流した今村は、わずか25球で投球練習を終えた。視察した他球団のスコアラーも拍子抜けする球数は、ブルペンよりも、今日14日の紅白戦に照準を合わせた証しだった。

 1軍合流は、昇格を意味しない。畝投手コーチが「紅白戦の結果を見て判断したい」と話すように、昇格は紅白戦の結果次第。1軍生き残り、沖縄キャンプ同行に求められるものは、結果しかない。

 プロ入り3年目の12年シーズンはセットアッパーを任され、2勝2敗26ホールド4セーブ、防御率1・89の成績を残した。翌年のWBC日本代表に選出され、世界の舞台にも立った。13年まで3年連続で50試合登板と、身を粉にして中継ぎ陣を支えてきた。知らぬ間に右肩への負担を募らせ、痛みを我慢する日々が続いた。14年は17試合登板、1勝1敗0ホールド、防御率4・35。昨秋のフェニックス・リーグで痛みは限界に達し、秋季キャンプには参加しなかった。

 調子を落としている間に一岡、中崎らが台頭。右肩の痛みは癒えても、1軍中継ぎ陣に空けられた席はなし。今春キャンプは2軍スタートとなった。

 故障明けの2軍キャンプでは、自分のペースで調整してきた。「今までやってきたことを自然とできるようになった」。投球フォーム修正に時間をかけ、シート打撃にも登板した。1軍合流によってつかんだ今年初の実戦登板は、生き残りをかけたマウンドとなる。「今までやってきたことを出したい。結果を残して、アピールしたい。昨年は全く力になれなかった。今年は1試合でも多く力になれればと思っている」。苦しみを味わった右腕。復活への戦いは、ここから始まる。【前原淳】