プロボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)が、9月16日にエディオンアリーナ大阪で、同級1位アンセルモ・モレノ(31=パナマ)と11度目の防衛戦を行うことが決まり、6日に都内で会見を行った。昨年9月のV9戦は、2-1の僅差判定決着と大苦戦。最強挑戦者とのキャリア初の再戦に向け、代名詞の左ストレート復活をテーマに掲げた。
山中は宿命の相手との完全決着を誓った。1週間の沖縄合宿から戻ったばかりとあり、日に焼けた精悍(せいかん)な顔つきで言葉に力を込めた。「これまでで最強の相手。必ずもう1度戦うことになると思っていた。今回ははっきりとした形で勝つ」。頂点(13度)が見えてきた防衛記録について聞かれても「意識はまったくない」と即答。目の前の試合への集中を強調した。
「バンタム級頂上決戦」と銘打たれたV9戦は、期待通りの激闘だった。山中が「数センチの距離の取り合い」と表現した技術戦で、ディフェンス力を武器にWBA王座を12度防衛した経験を持つモレノが山中の攻撃を完封。終盤の猛攻でどうにかベルトを守った王者も「ほかの選手とは距離感がまったく違う。今回が一番厳しい試合になる覚悟もしている」と難敵との再戦に危機感をにじませた。
勝利のかぎは代名詞の左ストレートの復活だ。前回のモレノ戦前のスパーリングから、左の感覚に微妙なずれが生じていた。コンビを組む大和心トレーナーは「アイスピックのように1点で貫くパンチが、大砲のような感じになっていた。左の修正がテーマになる」と説明。山中も思いは同じで、「この試合は追試のようなもの。チャンスがあれば多少強引にでもいく」。在位4年8カ月を迎えた日本ボクシング界のエースが、健在ぶりを証明する。【奥山将志】

