ボクシングのIBF世界スーパーライト級3位小原佳太(29=三迫)が、海外奪取で2つの空白を埋める。9日にモスクワで同級王者エドゥアルド・トロヤノフスキー(36)に世界初挑戦する。8日は現地のホテルで前日計量に臨み、小原は63・1キロ、王者は63・4キロとともにリミット以下でパスした。

 14年にジムを引き継いだ三迫貴志会長も世界初挑戦となる。「1歩ずつクリアしてきて待ち望んだ一戦」と期待がこもる。名門ジムも王座獲得は輪島、三原、友利だけ。13人目の挑戦で34年ぶり4人目を狙う。スーパーライト級でも平仲以来4人目へ、24年で空白期間にストップがかかる。

 王者はキックボクサー上がりも24勝21KOの無敗を誇る。小原は「6-4で勝てるが、アウェーなので五分でも自信ありです。人生で一番大きな勝負にすべてをかける」との決意でリングに上がる。

 日本人で海外の敵地で奪取は、過去7人が8回で13年の高山以来になる。ジムからは三原も81年に米ニューヨークで奪取の歴史は心強い。持ち込んだ炊飯器で炊いたジャスミンライスのかゆで、決戦へのエネルギーを補給。あとは東京に残った先代三迫仁志会長に朗報を伝えるだけだ。