「5年って短いんで」元西武ドラ1渡部健人「またやりたいなと」岡山からNPB復帰を

2020年ドラフト1位で西武に入団し、昨季限りで戦力外となった渡部健人内野手(27)は今季、岡山の社会人野球チーム・三協クリエイトでプレーしています。1軍定着をつかみかけた3年目のケガ、戦力外直前になってつかんだ打撃の感覚、12球団合同トライアウトで本塁打を放ちながら待っていたNPB球団からの電話―。岡山で再出発した元ドラ1を訪ね、今だから語れるプロ5年間の「後悔」と、それでもNPB復帰を目指す理由に迫りました。

プロ野球

★渡部選手が語った主な内容

  • 3年目のケガがなければ…悔やんでも悔やみきれない転機
  • 戦力外直前につかんだ打撃の感覚と、届かなかった電話
  • 社会人野球で気づいたプロの恵みとNPB復帰への思い

◆渡部健人(わたなべ・けんと)1998年(平10)12月26日、神奈川県生まれ。横浜商大高から1年冬に日本ウェルネスに転校。桐蔭横浜大では1年春から4番。4年秋には8本塁打を放ち、リーグ新の23打点。20年ドラフト1位で西武入団。21年4月4日ソフトバンク戦でプロ初本塁打。同年2軍で19本塁打、64打点で2冠。愛称は「ベッケン」。入団会見時には「よくばり君」を自ら希望した。プロ通算74試合の出場で、43安打、打率1割7分8厘、7本塁打、27打点。176センチ、115キロ。右投げ右打ち。

岡山のカフェでインタビューに応じる元西武で現在は三協クリエイトでプレーする渡部健人

岡山のカフェでインタビューに応じる元西武で現在は三協クリエイトでプレーする渡部健人

頭が真っ白だったドラフト1位の瞬間

「5年って短いんで。もうちょっとやりたかった」

岡山で再出発した渡部健人は、5年間のプロ生活をそう振り返った。2020年、西武からドラフト1位指名を受けた時、そんな未来を想像していたはずもない。

「最悪のことを考えろ」

桐蔭横浜大の恩師・斉藤博久監督に言われた言葉だ。ドラフト直前、渡部の心境は希望よりも不安でいっぱいだった。「最悪のこと」とは指名漏れのこと。社会人チームからの誘いを断ってプロ一本に絞っていた。もし指名されなかったら…。

「マジで頼む」と祈りながら向かったドラフト会場。なんと西武から1位指名された。指名漏れを覚悟していた心境から一転、現実を理解できずにポカンとしていた。

「表情のままです。頭が真っ白で何も覚えてないです」

記憶が飛んだ会見では珍回答を連発。恩師へ「『ここまで育ててくれてありがとう』という気持ちです」とまさかのため口に、チームメートも報道陣も巻き込む爆笑会見となった。

予想もしなかった「ドラフト1位」の肩書を背負い、プロ野球人生が始まった。がっちりした体格に穏やかな雰囲気から中村剛也内野手(43)と重ねられ、「おかわり2世」や「よくばり君」と呼ばれた。プロ入り当時は渡部自身も「1軍で活躍して、中村さんみたいな選手になりたいなと思ってました」と大きな理想を思い描いた。

25年11月の合同自主トレで打撃練習する渡部健人。左は中村剛也

25年11月の合同自主トレで打撃練習する渡部健人。左は中村剛也

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1998年3月生まれ。東京都あきる野市出身。都立富士森では硬式野球部に所属。中大商学部を経て、2020年4月入社。同年10月から野球部配属で同12月から巨人担当、24年1月からDeNA担当を務める。26年は巨人担当。
趣味は海外サッカーなどのスポーツ観戦、映画鑑賞、サウナ。下手くそだけどマイブームはゴルフ。好きな食べ物は地元の八王子ラーメン。